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中国怪奇物語086

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  鳥獣どもの歎願 晋(しん)州の刺史(州知事)に、蕭(しよう)志(し)忠(ちゆう)という人がいた。心のやさしい人であっ
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   鳥獣どもの歎願
 
 
 
 
 晋(しん)州の刺史(州知事)に、蕭(しよう)志(し)忠(ちゆう)という人がいた。心のやさしい人であった。
 恒例によって大(おお)晦日(みそか)に狩猟をするつもりで、その準備をすすめていた。
 大晦日の前日、薪(たきぎ)取(と)りの張(ちよう)三(さん)という男が霍(かく)山(ざん)で木を伐っていたところ、急に瘧(おこり)の発作が出て、帰ることができなくなった。やがて日が暮れてきたので、岩穴の中で夜をあかすことにして、薪の束にもたれ、うつらうつらしていると、真夜中ごろ、岩穴の外に人の足音のような、草を踏みわける音がきこえてきた。そっと這い出してのぞいて見たが、まっくらで何も見えない。
 しばらくすると、月が出て、崖の上に突っ立っている身のたけ一丈あまりの大男を照らし出した。眼はいなずまのように光り、鼻筋には三本の角(つの)が生え、身には豹の皮をまとっている。
 その大男が谷に向って長い叫び声をあげると、あちこちから虎、豹、犀(さい)、鹿、猪、狐、雉(きじ)、雁などがぞくぞくと集ってきて、その男をとりまき、百歩ほどはなれたところにずらりと並んだ。
 すると、大男はその鳥獣どもにいいわたした。
「北(ほく)帝(てい)の命令をつたえる。明日の大晦日に蕭刺史が恒例の狩猟をされるゆえ、お前たちのうち、何匹かは矢にあたり、何匹かは槍に刺され、何匹かは網にかかり、何匹かは棒に打たれ、何匹かは猟犬に噛まれ、何匹かは鷹に襲われて、それぞれ死刑になることにきまったぞ」
 鳥獣どもはみなぶるぶるふるえながら、平伏してきいていたが、北帝の使者の言葉がおわると、老いた虎と老いた大鹿が進み出ていった。
「蕭刺史は慈悲ぶかいお方です。狩猟をなさるのは、わたくしどもをあやめようとしてなさるのではなく、季節の行事としてなさるのです。それゆえ、明日もし何かすこしでもさしさわりがあれば、狩猟はおとりやめになると思います。使者さま、なんとかしてわたくしどもをお助けくださいませ」
「北帝の命令をつたえるのがわしの任務だ。いま命令はつたえた。よってわしの任務は終った。あとはお前たちで、助かる方法を考えるがよい」
「その方法をお教えくださいませ」
「東の谷に含(がん)質(しつ)という謫(たく)仙(せん)が住んでいる。含質どのは智謀にたけたお方だ。お願いしてみよう」
 使者はそういって東の方へ歩きだした。鳥獣どもはよろこびの声をあげ、みなそのあとについていく。張三はもう瘧もおさまっていたので、岩穴から出て、そっと一同のあとをつけていった。
 東の谷に着くと、破れた草庵の中に虎の身体をした人が寝ていた。使者を見るとその人は起きあがっていった。
「鳥獣どもに大晦日の死刑をいいわたしに見えたのか。それにしても、一同を引きつれて、この含質になんのご用ですかな」
 使者がわけを話すと、含質は、
「そのとおり、蕭刺史は心のやさしい人だから、明日もし風をおこし雪を降らせたら、部下の難儀を思って狩猟をとりやめるだろう。だから、巽(そん)二(じ)にたのんで風をおこさせ、滕(とう)六(ろく)にたのんで雪を降らせたらよい。巽二は酒か好きだから、よい酒をおくり、滕六は女好きだから、よい女をおくってたのめば、きいてくれるだろう」
「そううかがっても、わたしにも鳥獣どもにもどうすることもできません」
「わしにしてくれというのか。よろしい。酒は絳(こう)州(しゆう)に盧(ろ)司(し)戸(こ)という酒づくりの名手がいる。女は河東の県尉の崔(さい)知(ち)之(し)の三番目の妹が、顔も姿も美しく、気だてもよく、色気もあってよい。わしの友達に妖術にたけた狐が二匹いるから、取ってこさせることにしよう」
 鳥獣たちはよろこびの声をあげながら、草庵の前で輪を作って踊りまわった。含質はそれを見ながら使者にいった。
「わしは下界に流されてから、今日で三十六万四千九百八十九日になる。あと十一日たったら、天上へもどれる。下界も住みなれると、名残り惜しい気もしないことはないな」
 しばらくすると、一匹の狐が背中に女を乗せてあらわれた。年は十五、六。たもとでしきりに目がしらをぬぐっていたが、そのしぐさがかえってなまめかしくさえ見える、美しく可(か)憐(れん)な娘であった。
「わたしの方からお願いしたこととはいえ、女を見たら可哀そうになってきました」
 と使者がいうと、含質は笑って、
「これはこれは、北帝の使者とも思われぬことをおっしゃる。なに、あの娘はいまはかなしんでいるが滕六のところへゆけば、これまでよりもずっとしあわせになるのだ」
 といった。
 そこへまた、別の狐があらわれた。背中に酒を二壺乗せていたが、すばらしい芳香がただよってきて、たぐいまれな美酒であることがわかった。
 使者が角の生えたその鼻をうごめかしながら生(なま)唾(つば)を呑むと、含質は笑って、
「明日、風をおこさなくてもよいのなら、飲んでよろしいぞ」
 といった。
 含質は美女と酒の壺を、それぞれ袋の中へいれ、朱筆で呪文を書き、口に水をふくんでぷっと吹きかけた。と、二つの袋はふわふわと空へ浮きあがり、たちまち見えなくなってしまった。
 張三は見つけられては大変と思い、いったん岩穴のところへもどってから、山を下りて家に帰った。
 その日、夜明けとともに風が吹き、雪が降りだした。それは次第にはげしくなって、一日じゅう吹きつづけ、降りつづけた。
 そして、蕭刺史は恒例の狩猟をとりやめた。
唐『玄怪録』 
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