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中国怪奇物語089

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  張三の麦藁帽子 唐の開(かい)元(げん)年間、二人の士(し)人(じん)が泰(たい)山(ざん)にこもって仙道の修行をは
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   張三の麦藁帽子
 
 
 
 
 唐の開(かい)元(げん)年間、二人の士(し)人(じん)が泰(たい)山(ざん)にこもって仙道の修行をはじめた。一人は李(り)といい、一人は張(ちよう)といった。だが、時がたつにつれて李の志はくじけていった。張はそれを察して李にいった。
「君は王室の一族だ(唐の天子は李姓)。世を避けるよりも、世に出て王室の一翼となることの方が、君にはふさわしいかもしれぬ。君は君、私は私だ。なにも私に遠慮することはないよ」
「いっしょに志を立てながら、面目ない次第だが……」
 李はそういい、別れを告げて山を下りて行った。
 天(てん)宝(ぽう)の末年、李は大(だい)理(り)丞(じよう)(司法をつかさどる大(だい)理(り)寺の次官)にまで出世したが、安(あん)禄(ろく)山(ざん)の乱がおこったため、家族をつれて南へ逃げ、湖北の襄(じよう)陽(よう)に仮の住居をさだめた。
 その後、公務で揚(よう)州(しゆう)へ行った帰途、思いがけなく、泰山で別れたきりだった張に出会った。張は垢(あか)じみた着物をまとい、腑抜けたような顔をしている。李は気の毒に思っていった。
「これからいっしょに宿をとって、うまい物でも食べながら、語り合おうじゃないか」
 すると張は笑っていった。
「ありがとう。だが、うまい物なら、私がいま世話になっている家にもある。宿で食べるには及ばんよ。ちょっと寄ってくれないか」
 しきりにすすめるので、ふり切るわけにもいかず、李は張について行った。行ってみて李はおどろいた。その構えも、召使たちの数も、身なりも、まるで王侯の邸宅のようであった。
「これはいったい、どういうことだ。夢でも見ているのではなかろうか」
 と李がいうと、張は、
「これしきのことにおどろいていると、召使たちにも笑われるぞ」
 といった。
 見たこともないような料理が、つぎつぎに運ばれてきた。いわゆる山海の珍味ばかりだった。食事がすむと、さまざまな演芸が行われた。音楽を演奏している女たちの中の、箏(こと)をひいている女を見て、李は自分の妻によく似ていると思った。どうしてもその女の方へ眼が向くのだった。
「あの女が気に入ったのか」
 と張がたずねた。
「いや、そういうわけではないが、私の妻に似ているものだから、どうも気になってならないのだ」
 と答えると、張は笑いながら、
「世の中には似た者もいるさ」
 といった。
 やがて演芸が終ったとき、張は箏をひいていた女を呼び寄せ、その腰紐に小さな林(りん)檎(ご)を結びつけて、
「もう帰ってよい」
 といった。それから李に向って、
「ところで、君は、希望を達成するためにいま金がいるだろう? いくらあったらいいんだね」
 ときいた。
「三百貫あれば、うまくいくはずなんだが……」
 と李がいうと、張は古びた麦(むぎ)藁(わら)帽子を持ってきて、
「薬屋街(がい)に王老という人がいる。これを持って王老の家へ行き、張三がこれで三百貫の銭をもらってこいといった、というがよい。そうすれば三百貫くれるはずだ」
 といってその帽子を渡し、
「それじゃ、これで別れよう」
 と、李を門の外まで見送った。
 翌日、李は薬屋街へ行く前に、もういちど張の邸宅へ行ってみた。ところが屋敷は荒れはてていて、人が住んでいる気(け)配(はい)はなかった。近くの家できいてみると、
「あそこは劉(りゆう)道(どう)玄(げん)さんの屋敷ですが、十年あまり前からずっと空(あき)家(や)になっています」
 ということだった。
「昨日きたのは確かにここだったはずだが……」
 と李は不審に思いながら、引き返して薬屋街へ行き、王老という薬屋をさがしてみたところ、その店はちゃんとあった。帽子を見せて張にいわれたとおりにいうと、王老は娘を呼んで、
「これ、張さんのかな」
 ときいた。娘が手に取って見て、
「確かに張さんのだわ。この前、修理してあげたときの緑色の糸がついているから」
 といった。李が、
「張三という人はどこに住んでいるんです?」
 ときくと、王老は、
「さあ、どこかな。山の中だろうな。山の中の松の根に生える茯(ぶく)苓(りよう)を、この五十年来とどけてくれる大事なお人だから。あの人は茯苓の代金を、自分がいるだけしか持っていかないんですよ。だから二千貫あまりの代金を店であずかっているんです」
 といいながら、李に三百貫の銭を渡した。
 李は銭を受け取ってから、もういちど昨日の張の屋敷へ行ってみたが、やはり無人の空家だったので、あきらめて襄陽に帰った。
 家へ帰るなり李は妻に張のことを話したが、話しているうちに妻の腰紐に小さな林檎が結びつけてあることに気づいた。おどろいて、わけをたずねると、妻は、
「昨夜、夢の中で、五、六人の人がきて、張仙人さまが箏をひく女をお召しだからといって、私を大きなお屋敷へつれて行ったのです。そのお屋敷で筝をひきました。そしたら帰りに張仙人さまが腰紐にこれを結びつけてくださったのです」
 といった。それをきいてはじめて李は、張がすでに仙人になっていたことを悟ったのだった。
唐『広異記』 
 
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