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中国怪奇物語091

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  雁門山の仙女 唐の開(かい)元(げん)年間、五台山に旅の僧が大勢こもっていたことがあった。代州の都督は、僧たちが衆を
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   雁門山の仙女
 
 
 
 
 唐の開(かい)元(げん)年間、五台山に旅の僧が大勢こもっていたことがあった。代州の都督は、僧たちが衆をたのんで不穏なことをするのではないかとおそれ、寺を持たない僧はすべて五台山から放(ほう)逐(ちく)することにした。
 そのとき、旅の僧たちは多く谷間へ逃げこんだが、中に法(ほう)朗(ろう)という僧がいて、皆と別れて一人雁(がん)門(もん)山(さん)の奥深くへ分け入った。
 すると谷の奥に、人が出入できるほどの洞窟があった。法朗は乾(ほし)糧(いい)をたくさん持っていたのでしばらくここにかくれていようと思い、その洞窟の中へはいっていった。
 数百歩進むと、進むにつれて洞窟は次第に広くなり、やがて平地に出た。そこには清らかな川が流れていた。川を渡って向う岸へ上ると、そこは日と月が明るくかがやいている平野であった。
 平野を二里ほど進むと森があり、森の中には草ぶきの家があって、女が幾人か住んでいた。みな、わずかに草の葉を身につけているだけの若い女で、そろって美しく艶(つや)やかであった。女たちは法朗の姿を見るとびっくりして、
「お前は、なにものなのです」
 ときいた。法朗が、
「わしは人間だが……」
 というと、女たちは笑いだして、
「そんな奇妙な恰(かつ)好(こう)をした人間があるものですか」
 という。
「お前たちこそ、その姿はなんだ。女のくせに裸同然の恰好をして。わしはそんな姿を見てもまどわされはしないぞ。仏につかえる身だからな。仏につかえる者はみな、髪を落として法衣を着る。七戒をまもるためじゃ」
 と法朗はいったが、女たちはみな怪(け)訝(げん)な顔をして、
「なんのことかわかりません。仏などということは、きいたこともありません」
 という。法朗がさらに仏教の趣旨を話すと、女たちはすこしはわけがわかったらしく、
「それはなかなかよいことです」
 といった。
「ところでお前さんたちはなにもので、ここはなんというところですか」
 と法朗がきくと、女たちは、
「わたしたちは秦(しん)のもので、蒙(もう)恬(てん)将軍につれ出されて万里の長城を築いていたのです。将軍は男たちだけでは足りず、娘たちもかり出して使いましたが、わたしたちは労苦に堪えられなくなって、ここまで逃げてきて、かくれたのです。ところが食べものがなく、このあたりの草の根を食べていたところ、それがみな仙草で、おかげでわたしたちは不老不死の身になることができました。ここへきてからどれくらい歳月がたったかもわかりませんし、外へ出ていったこともありません」
 という。秦というと、一千年近く前の世である。
 女たちは法朗を引きとめ、仙草の根を食べさせてくれたが、それは口あたりがわるくて、食べられたものではなかった。
 法朗は四十日あまりそこに滞在したが、乾糧がなくなってしまったので、外へ出て食べものをさがしてくるといって、洞窟を出た。それから代州へゆき、食糧をととのえてからもういちど雁門山の谷(たに)間(あい)に分け入ったが、道に迷い、いくらさがしても洞窟のありかはわからなかったという。
唐『広異記』 
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