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中国怪奇物語093

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  眉間の傷 陝西の杜(と)陵(りよう)に韋(い)固(ご)という人がいた。 幼いときに両親を亡くして、兄弟もなく、早く嫁
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   眉間の傷
 
 
 
 
 陝西の杜(と)陵(りよう)に韋(い)固(ご)という人がいた。
 幼いときに両親を亡くして、兄弟もなく、早く嫁をもらいたいと思って方々へ口をかけていたが、ときおり縁談はあるにはあったけれども、いつもまとまらなかった。
 ある年、旅に出て、河南の宋城の南の村に泊っていたところ、もと清河郡の役人だった潘(はん)〓(ぼう)という者の娘をすすめる人があって、もしその気があるなら明日の朝早く、村の西の竜興寺という寺の門前で会おうといった。
 その人は名をいわなかったが、いかにも信用のおけそうな人だったし、韋固は嫁がほしくてならないところでもあったので、翌日、早起きして、まだ傾いた月の光がさしている中を竜興寺へと出かけていった。いってみると門の石段に一人の老人が腰をおろし、袋に寄りかかって、月あかりで本を読んでいた。韋固が傍へいっても、老人はふり向きもせずに読みつづけている。のぞき込んでみたが韋固には読めない文字ばかりだったので、
「もし、ご老人。それはなんの本ですか」
 とたずねた。
「わたしは子供のころから学問をして、どんな字でも知らない字はないつもりです。西国の梵(ぼん)字(じ)だって読めるのですが、その本の字だけはまだ見たことがありません」
 すると老人は笑いながら、
「それはそうだろうよ。これは人間世界の字ではないから」
 といった。
「それじゃ、どこの字なのです」
「天上界の字だよ」
「ご老人はどうして天上界の字が読めるのです?」
「天上界の者だからさ」
「すると、ご老人は人間じゃないのですか。天上界の者がどうしてこんなところにいるのですか」
「わたしたちはみな人間を管理しているのだ。管理するためには下界へおりてきて人間どもの様子を見なければならんだろう。わたしたちの仲間は下界のあっちこっちに大勢いるよ。ただ人間どもには、それが天上界の者だとはわからんだけさ。お前さんだって、わたしがこれを読んでいなければ不審には思わなかったはずだ」
「あなたは人間界のなにを管理していらっしゃるのですか」
「わたしの管理しているのは人間どもの結婚のことさ」
 韋固はそれをきくと、よろこんでたずねた。
「わたしは杜陵の韋固という者です。幼いときに両親をなくしまして、早く嫁をもらって後継ぎをつくりたいと思い、この十年間ずっと嫁をさがしてきたのですがうまくいきません。じつは、今日、ある人とここで会って、潘〓という者の娘との縁談を進める手はずになっているのですが、こんどはうまくいくでしょうか」
「まだまだ、まとまらんね。お前さんの嫁になる人はいま三つだからな。その人が十七になったらお前さんといっしょになるはずだよ」
「…………」
「疑っているようだな」
「ところで、あなたが寄りかかっていらっしゃるその袋の中には、なにがはいっているのですか」
「赤い縄(なわ)だよ。これで夫婦の足をつなぎあわせるのだ。人間の眼には見えないが、これでつなぎあわせておくと、たとえ仇(かたき)同士であろうと、身分に隔てがあろうと、どんな離れたところに住んでいようと、いったんつないだ以上はかならず結婚することになっているのだ。お前さんの足ももう先方につないであるよ。だから、いくらほかの娘をさがしたところでむだというものだ」
「それでは、わたしの相手は今どこにいるのですか。なにをしている家の娘です?」
「この村の北に住んでいる野菜売りの、陳(ちん)という婆さんの娘だよ」
「会うことができるでしょうか」
「婆さんはいつもその子を抱いて、市場で野菜を売っているよ。わたしについて来ればその場で教えてあげよう」
 夜は明けたが約束した人はやって来ない。
「いつまで待つつもりなのじゃ」
 老人はそういうと、読んでいた書物を閉じ、袋をかついで歩きだした。韋固はなおしばらく、約束した人を待っていたが、来そうにもないので、老人のあとを追いかけて村の北の青物市場へいった。
 老人の姿はすぐ見つかった。韋固がその傍へいくと、老人は指をさして、
「あれがお前さんの女房になる娘だよ」
 といった。老人の指さす先には、片目のつぶれたみすぼらしい婆さんが、二、三歳の女の子を抱いていた。
「あれがわたしの?」
 と、韋固が半ばあきれ半ば腹をたてていうと、老人はうなずいて、
「そうだよ」
 といった。
「あれがわたしの女房になる、ときまっているのでしたら……」
「なんだね」
「今のうちに殺してしまったほうがましです」
「そんなことができるものかね。あの娘は天から禄(ろく)を授かることになっているのだよ。いずれ、お前さんの力によってあの娘は領地をもらうことになるのだ。なんで殺せるものかね」
 韋固がふり向くと、老人はもういなかった。市場中をさがしてみたが、どこにもいない。韋固はぶつぶつとつぶやいた。
「おれのようなれっきとした家柄の者は、嫁をもらうにも釣りあった家からでなければならん。もしそういう相手がなければ、妓(ぎ)女(じよ)の中から顔もよく頭もよいのをさがして身請けをし、本妻にするという手もある。あんなうすぎたない婆の子なんぞと結婚できるか。それにしてもあのじいさんは何者だろう。もしあれがほんとうに天上界の者で、人間の結婚の係りをしているのだとすると、放ってはおけぬ。やっぱり、今のうちにあの娘を殺してしまったほうが安心というものだ」
 韋固はひとまず宿へ帰り、つれていた下男にわけを話し、
「もしその娘を殺してくれたら、一万貫の銭をやる」
 とそそのかすと、下男は、
「承知しました」
 といった。韋固はとぎすました匕(ひ)首(しゆ)を下男に渡した。
 翌日、下男は、その匕首を袖の中にかくして青物市場へゆき、人混みの中で、片目の婆さんの抱いている子を突き刺した。市場は大騒ぎになった。下男は何食わぬ顔をしてそっと市場を抜け出し、宿へ帰った。
 韋固も何食わぬ顔をして下男といっしょに宿をたち、もはや追手の来るおそれのないところまでいくと、はじめてほっとして、
「うまく刺せたか」
 ときいた。
「はい。心臓を突き刺すつもりでしたが、婆さんがたおれかかったものですから、逸(そ)れて眉(み)間(けん)に刺さりました」
「眉間か。それなら大丈夫だろう」
 韋固はそういって、銭一万貫を下男にやった。
 その後、韋固にはなんども縁談があったが、いつもまとまらなかった。
 それから十四年たった。韋固は亡父の功労によって役人に採用され、河南の相州の参軍になっていた。州の長官の王(おう)泰(たい)は韋固を抜(ばつ)擢(てき)して戸籍係りにし、さらに裁判をあつかわせてみたところ、てきぱきと処理して上下の評判もよいので、見込んで自分の娘を嫁にやった。娘は年のころ十六、七。美しく、しかもやさしい女であった。
 韋固はすこぶる満足であった。
 妻はいつも眉間に造花をつけていた。風呂へはいるときも、夜寝るときも、いちどもそれをはずしたことがない。韋固はそれを、妻の好みだろうと思って格別あやしみもしなかったが、一年あまりたったとき、ふと、むかし下男に野菜売りの婆さんの子を殺させたとき匕首が眉間に突き刺さったということを思い出して、まさかと思いながら妻に造花のわけを問いただした。すると妻は泣きながらいった。
「わたしは王長官の姪(めい)で、実の娘ではありません。王長官はわたしの母方の叔父なのです。わたしの父は潘〓といって、清河郡の役人をしておりましたが、わたしが生れてから間もなく亡くなりました。母も兄もつぎつぎに亡くなり、家屋敷も人手に渡って、残ったのは宋城の南にある荘園だけでしたので、乳母の陳氏といっしょにそこへ移って住み、近くの村の青物市場で野菜を売って暮しを立てていたのです。乳母の陳氏はやさしい人で、わたしが小さいのを憐れんで片時もわたしを離したことがありませんでした。ところが三つのとき、陳氏に抱かれて市場へゆきましたところ、何者かが飛びかかって来て、わたしの眉間を刺したのです。さいわい傷は浅くてなにごともありませんでしたが、その跡が残っておりますので、こうして造花でかくしているのでございます。七、八年前、叔父が廬(ろ)竜(りよう)の属官になりましたとき、わたしをさがし出して養女にしてくれましたので、おかげで、あなたのところへ嫁ぐことができました。早く申し上げなければと思いながら、つい言いそびれて今までかくしておりました。どうぞおゆるしくださいますよう」
 韋固はそれをきくと、妻の手を取って、
「お前になんの咎(とが)があるものか」
 といい、
「その陳氏という乳母は片目だったろう」
 ときいた。
「どうしてご存じなのです?」
「お前を人に刺させたのは、じつはこのおれだったのだ」
「そんなはずはありません。わたしが気にしないようにとそうおっしゃってくださるお気持はありがたいのですが……」
「いや、ほんとうなのだ」
 といって、韋固は妻にくわしくわけを話した。妻はおどろいたが、
「これでおあいこですわね」
 といい、
「わたしたち、どうしても結ばれる運命になっていたのですわ」
 といって、ますます韋固を慕うようになった。
 夫婦は仲むつまじく暮し、やがて二人のあいだには男の子が生れた。韋固は次第に昇進して後には山西の雁(がん)門(もん)の太守になり、妻も太原郡太夫人の爵(しやく)位(い)を授けられた。
 宋城の県知事はこのことを伝え聞いて、その城外の南の村を定婚店と名づけた。その名は今も残っている。
唐『続玄怪録』 
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