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中国怪奇物語110

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  蘇仙の桃 湖南の〓(ちん)州の貧しい家に、母親と二人暮しの蘇(そ)女(じよ)という娘がいた。 ある日、河へ行き、河の
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   蘇仙の桃
 
 
 
 
 湖南の〓(ちん)州の貧しい家に、母親と二人暮しの蘇(そ)女(じよ)という娘がいた。
 ある日、河へ行き、河の中の平たい石の上にしゃがんで洗濯をしていると、緑色のつやつやした藻が一本、流れてきた。ふと心を惹(ひ)かれて眺めていると、藻は蘇女の前でとまり、やがて石のまわりをぐるぐるまわりだした。
 蘇女はそれを見ているうちに胸がときめき、恍(こう)惚(こつ)とした気分になってきて、しばらく忘我の境をさまよっていたが、やがて我にかえったとき、はっきりと腹に子が宿るのを覚えた。
 家へ帰って母親にそのことを話したが、母親は信じなかった。しかし、蘇女の腹は次第にふくれてきて、十ヵ月たつと男の子が生れた。
 母親は、蘇女が夫もいないのに子を生んだことを恥じて、その子を捨てようとしたが、蘇女は子をはなさず、櫃(ひつ)の中へ入れて育てた。
 やがて子供は七つになった。蘇女は子供が父なし子と言われることをあわれんで、外へは出さず、ずっと家の中で育てて、誰にも会わせなかった。
 ある日、子供が蘇女にいった。
「お母さん、わたしももうだいぶん大きくなりましたし、いつまでもここにいることはできませんので、もうお別れしたいと思います」
 蘇女がびっくりして、
「別れるなんて。世間も何も知らないお前が、いったい、どこへ行くつもりなの」
 というと、子供は、
「わたしは人間ではないのです。だから、天へ上るか、山へはいるか、どちらかになるでしょう」
 という。蘇女は泣きながら、
「やっぱりお前は神仙の子だったのね。出て行ったら、もう帰って来てはくれないの?」
 ときくと、
「いいえ、きっとお迎えに来ます。わたしが出て行ったあとで、もし入用なものがあったら、わたしの育てられていた櫃をあけてみてください。必要なものは何でもあるはずですから」
 といい、三拝の礼をしてから、
「それでは、お元気で」
 と言うなり、さっさと出て行ってしまった。蘇女はあわてて後を追ったが、外へ出るともう子供の姿は見えなくなっていた。
 蘇女がこのことを母親に話すと、母親はしきりに不思議がったあげく、子供がいなくなってしまったのならと、嫁に行くことをすすめた。しかし蘇女はきかずに、操(みさお)をまもりとおした。そのかわりに、暮しは窮(くる)しくなっていく一方であった。
 ある日、ついに米もなくなった。蘇女は空を仰いで嘆くばかりで、どうすることもできない。蘇女は美貌だったので、縁談はいくつもあった。母親は蘇女に、嫁に行きさえすれば楽に暮せるのにと、しきりに愚痴をいった。そのとき蘇女はふと、子供が出て行くときに言ったことを思い出して、櫃をあけてみた。と、果してそこには米がはいっていた。それからは、なんでも欲しいものがあるときは、櫃をあけると必ずはいっていたので、それを使って暮した。
 三年たつと蘇女の母親は病気で死んだ。葬儀に必要なもの一切、みな櫃の中にはいっていて、蘇女はそれを使って母親を葬った。
 それから三十年間、蘇女はひとり暮しをつづけたが、一度も家から出たことはなかった。
 ある日、隣家の女房が蘇女の家へ火種をもらいに行った。そのとき、部屋にひとり坐っている蘇女の姿が、なにか影うすく見えたので、女房は、
「身体(からだ)の具合でもわるいのじゃありませんか」
 ときいてみた。すると蘇女は、
「いいえ。とてもさわやかな気持です」
 といった。女房は火種をもらって帰ったが、蘇女のことが気になったので、しばらくしてから外へ出てみると、五色の雲が天(てん)蓋(がい)のように立ちこめて蘇女の家をつつんでいるのが見えた。よく見ると、その五色の雲の真中に、きらびやかな衣裳をまとった仙女のような姿があったが、それが蘇女だった。
 それを見たのは隣家の女房だけではなかった。近所の人々がみな表へ出てそれを見ているうちに、五色の雲は蘇女の家から離れ、しばらくのあいだ、別れを惜しむように人々の上を旋回していたが、やがて次第に高く上って行って、ついに人々の視界から消えてしまったのである。
 近所の人々は不審に思い、蘇女の家へ行って、部屋をのぞいて見た。と、蘇女は着飾って坐っていたが、すでに息絶えていた。
 人々が寄り合って、蘇女には身寄りがないのでみんなで葬儀をしようと相談していると、不意に、立派な風采をした若者がはいってきて、
「みなさん、母がたいへんお世話になりました。ありがとうございました」
 と礼をいった。人々は前から、蘇女には男の子があったことをうすうす知っていたので、その若者を疑う者はなく、あとを任せてそれぞれ家に帰った。
 若者は蘇女の葬儀をすませると、墓地に桃の木を二本植え、人々に別れを告げて立ち去っていったが、歩くにつれて足もとから雲が湧きおこり、たちまちのうちにその姿は見えなくなってしまった。
 蘇女の墓地の桃の木には、翌年から花が咲き、大きな実がたくさん成った。その実は甘くて、かんばしい香りがした。
 土地の人々はそれを蘇仙の桃と呼び、毎年、蘇女を祭ってからその実を分けあうのを常とした。その風習は今もつづけられているという。
清『聊斎志異』 
 
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