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中国怪奇物語134

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  嫁の神さま 淮(わい)南(なん)郡全(ぜん)椒(しよう)県の謝(しや)家に、丁氏という嫁がいた。もとは丹陽郡の丁家の
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   嫁の神さま
 
 
 
 
 淮(わい)南(なん)郡全(ぜん)椒(しよう)県の謝(しや)家に、丁氏という嫁がいた。もとは丹陽郡の丁家の娘であったが、十六歳のときに謝家へ嫁入りしてきたのである。
 丁氏は美貌で心やさしく、しかもよく働いたので、よい嫁だという評判が高かったが、嫁入りしてきた翌年の九月九日、首を吊(つ)って死んでしまった。姑(しゆうとめ)がきびしい人で、毎日仕事の量をきめて働かせ、きめただけの仕事ができないと容赦なく笞(むち)でたたいたので、心身ともに疲れはてて自ら死を選んだのであった。
 丁氏が死ぬと、その神霊があらわれて、あちこちの巫(み)女(こ)に乗りうつり、つぎのような神託をくだした。
「絶えず働かされている家々の嫁が哀れでならぬ。今後、嫁を酷使する姑には神罰をくだすことにする。殊に九月九日は嫁の安息の日とさだめる。その日は一日中、嫁に仕事をさせてはならぬ」
 はじめ人々は半信半疑であったが、その後、嫁をこき使う姑で、災難にあったり病気になったりする者が江南の各地に続出するに及んで、ようやく信じるようになった。
 ある日、全椒県の牛(ぎゆう)渚(しよ)の渡し場に、縹(はなだ)色の着物を着て黒い笠で顔をかくした女が、同じ姿をした供(とも)の女を一人つれてあらわれた。ちょうど渡し場では、二人の男が舟に乗って魚をとっていたが、女が呼びとめて、
「南の岸へ渡してくださいませんか」
 というと、舟を近づけてきて、
「乗りなよ。乗っておれたちの女房になってくれたら、渡してやるぜ」
 といった。すると女はきびしい声で、
「お前さんたち、家には女房がいるというのに、なんということを!」
 と咎めたが、男たちはいっこうに動(どう)ぜず、
「それはそれ、これはこれじゃないか。さあ、乗りな」
 と誘う。女は、
「お前さんたちは善い人だと思っていたが、そんな男だったのだね。そんな男は泥の中へもぐって死んでしまうがよい」
 というなり、男のさし出した手を引っぱって、舟から葦(あし)の茂みの中へ引きずりこんでしまった。
 しばらくすると、一人の老人が葦を積んだ舟を漕(こ)いでその渡し場を通りかかった。女がまた呼びとめて、
「南の岸へ渡してくださいませんか」
 というと、老人は、
「この舟には覆(おお)いがないのでな。女の人が覆いのない舟へ乗るわけにはいかんじゃろう」
 という。
「かまいませんから乗せてください」
 と女がたのむと、老人は積んである葦を片寄せて席をつくり、坐りよいようにして二人の女を乗せた。
 舟が南の岸へ着くと、女は老人に礼をいった。
「おじいさん、ありがとう。わたしは神なのです。人間ではありません。自分で渡ることもできたのですが、世の人々に知らせてやりたいと思って、わざと渡してもらったのです。葦を片寄せて乗せてくださったおじいさんのお志は、たいへんありがたく思います。いずれお礼をいたします。これから引き返してゆくと、わるい人にはわたしの罰があり、よい人にはわたしの恵みがあるということがわかるでしょう」
「なにをおっしゃっているのかよくわからんが、きたない舟で気持がわるかったでしょう。それじゃ、これで」
 老人は、おかしな女だと思いながら引き返していったところ、もとの渡し場のあたりまでいくと、二人の男の溺れ死体が浮いているのが見えた。さらに進んでいくと、何千匹という魚が水の上をはねていて、風に吹かれて岸へとびあがっていくのが見えた。老人は葦を捨ててその魚を拾い集め、舟いっぱいに積んで家へ帰った。
 女は神になった丁氏だったのである。丁氏はそのとき丹陽へ帰っていったのだった。
 以来、江南の人々は丁氏を丁(てい)姑(こ)神(しん)と呼んであがめ、九月九日は仕事をせず、嫁の安息日にするようになった。江南の家々では、今でも丁姑神を祭っている。
六朝『捜神記』 
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