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中国怪奇物語162

时间: 2019-05-29    进入日语论坛
核心提示:  恋女房 〓崇(ゆしゆう)という人が、江州の川で溺(おぼ)れ死んだ。 ところが、魂はその日のうちに家に帰ってきて姿をあ
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   恋女房
 
 
 
 
 〓崇(ゆしゆう)という人が、江州の川で溺(おぼ)れ死んだ。
 ところが、魂はその日のうちに家に帰ってきて姿をあらわし、生前とすこしも変らずに妻のそばにいるのだった。
 はじめのうち妻はこわがって、毎日かわるがわる姪(めい)たちを呼んでそばにいてもらったが、亡霊はそれをいやがって、しきりに妻に、
「おれはおまえと二人だけでいたいのだ。あの子らを帰らしてくれ」
 と言った。姪たちには亡霊の姿は見えなかったが、声だけはきこえるので、気味わるがって次第にこなくなった。
 〓家は貧乏だったので、妻は毎日、畑仕事や機織りをして休む暇もなく働いた。だが、女一人の働きはたかがしれていて、暮しは苦しくなっていくばかりだった。亡霊は妻のあとをついてまわりながら、
「おれが死んでしまったばかりに、かわいそうに。蓄(たくわ)えを残してやることもできずにすまんことをした」
 と言ったが、姪たちが手伝いにくると、
「また、じゃまをしにきた!」
 と言い、畑仕事を手伝えば鍬(くわ)を、機織りを手伝えば筬(おさ)を、不意に空へ舞いあがらせたり地面へたたきつけたりした。そのため姪たちはこわがって、ついに誰もこなくなってしまった。
「親切で手伝いにきてくれるのに、どうしてあんなことをなさるのです」
 と妻がうらむと、亡霊は、
「あの子らがおれを疑ったり、きらったりするからだ」
 と言った。
 〓崇には三つになる男の子がいたが、ある日、その子が母親におやつをねだった。母親が、
「我慢しておくれ。おやつを買ってあげるだけの金がないのだよ」
 と言うと、それをきいていた亡霊は悲しそうな様子をして、
「わしがわるいのだ」
 と言い、にわかに姿を消してしまったが、しばらくすると、どこからか二百貫の銭を持ってきて、
「これでおやつを買ってやってくれ」
 と言って、さし出した。
 こうして四、五年たつうちに、家はますます貧乏になり、その日の暮しも立たないありさまになった。すると亡霊は、
「おまえがこんなに難儀するのを見ているのはつらい。いっそのこと、こっちの世界へ呼んでやろうか」
 と言った。妻が、
「そうしてください」
 とたのむと、亡霊は、
「よし、よし。こっちの世界でいっしょに楽しく暮そう。おれはさきに行って、おまえを迎える用意をしておくよ」
 と言って姿を消したが、それからまもなく妻は病気になって死んだ。そのとき息子は八歳になっていたが、母親が死んだ翌日、親戚の中で最も金持ちの、子のない夫婦が引きとりにきて、
「ゆうべ、この家の夫婦の亡霊があらわれて、くれぐれも息子をよろしくとたのまれたのだ」
 と言った。
六朝『幽明録』 
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