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中国怪奇物語168

时间: 2019-05-29    进入日语论坛
核心提示:  亡父の贈り物 則天武后のとき、宮廷の祭祀をつかさどる太常寺(たいじようじ)の長官に、楊元英(ようげんえい)という人が
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   亡父の贈り物
 
 
 
 
 則天武后のとき、宮廷の祭祀をつかさどる太常寺(たいじようじ)の長官に、楊元英(ようげんえい)という人がいた。
 元英は開元年間に亡くなったが、それから二十年たったある日のこと、元英の息子が洛陽の鍛冶屋(かじや)町の磨師(とぎし)の家へ立ち寄ったところ、父の墓の中へおさめたのと同じ剣があるのを見て不思議に思い、
「あの剣は、どこで手にいれたのです」
 ときいてみた。すると磨師は、
「名前はおっしゃいませんでしたが、いかにも身分のあるような風采(ふうさい)のおかたが、修理してくれと言って持っておいでになったのです。あしたの昼ごろ、取りに見えることになっております」
 と言った。息子はそれをきいて、父の亡霊が持ってきたのだろうと思ったが、あるいは何者かが父の墓をあばいて盗みだしたのかもしれぬと疑い、翌日弟とともにまた磨師の家へ行って部屋の中から様子をうかがっていた。
 すると、昼ごろ、剣を受け取りにきたのは、やはり父であった。衣服は生前のままで、白馬に乗り、数人の供の者をつれていた。兄弟は磨師の家を出ると、道端で頭を下げ、涙にむせびながら父の帰りを見送ろうとして待っていた。
 元英は剣を受け取って帰る途中、道端に二人の息子の姿を見つけると、馬からおりて二人を物かげに呼びいれ、あれこれと家のことについて指示を与えてから、
「ところで、おまえたちの母は元気か」
 ときいた。
「父上のお墓に合葬してから、もう十五年になります」
 と言うと、
「そうだったか。わしは少しも知らなかった。冥府でもわしは役職についているので、なにかといそがしくてな。十五年も前にあれも冥土にきたのか」
 と言って何度も嘆息した。そして、
「さあ、もう別れなければならぬ。わしは公用があって、いつまでもおまえたちに会ってはおれぬのだ。明日ここでもう一度会おう。そのとき、おまえたちの苦労をねぎらって、いくらか贈り物をするから、必ず明日の今ごろここへ来るように」
 と言い、馬に乗って去って行った。
 翌日、息子たちが約束の時刻に約束の場所へ行くと、元英も姿をあらわし、銭三百貫を手渡して、
「これでおまえたちのほしいものを買うがよい。この銭は数日間のうちに必ず使いはたしてしまうのだぞ」
 と言い、
「これでもう、おまえたちと会うことはなかろう。家のことをちゃんとやるのだぞ」
 と言い残して去って行った。息子たちが泣きながらあとを追うと、元英は馬をとめて、
「物わかりのわるいやつだな。生者と死者とは住む世界がちがうのだ。父と子の関係は百年も続くものではない」
 と言って、馬に鞭(むち)をあてた。息子たちはそう言われても、なおあきらめきれず、あとを追って馬を走らせた。都の東北の門の上東門を出たとき、父の姿が北〓(ほくぼう)山へはいって行くのがはるかに見えた。しかし、数十歩進むと、その姿はぱっと消えてしまった。
 それから数日のうちに、息子たちは都のあちこちの店でいろいろな物を買い込み、三百貫を全部使ってしまった。三日たったとき、都の商人たちはみな、売り上げ金の中に紙銭(しせん)(霊前で焼く銭をかたどった紙)がまじっているのを見つけて、不思議なことだと言いあったという。
唐『広異記』 
 
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