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中国怪奇物語177

时间: 2019-05-29    进入日语论坛
核心提示:  二人の倩娘(せんじよう) 則天武后の天授三年、河北の清河(せいか)の張鎰(ちよういつ)という人が、湖南の衡州へ地方官
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   二人の倩娘(せんじよう)
 
 
 
 
 則天武后の天授三年、河北の清河(せいか)の張鎰(ちよういつ)という人が、湖南の衡州へ地方官として赴任して行った。張鎰はもの静かな性質で、友人もすくなかった。男の子はなく、娘が二人いたが、長女は早く亡くなって、いまは末娘の倩娘一人きりである。倩娘はつつましやかな娘であったが、しかもおのずからあでやかさのにじみ出てくるような、絶世の美人であった。
 張鎰の甥(おい)に、王宙(おうちゆう)という若者がいた。子供のときから頭がよく、美男でもあったので、張鎰はかわいがって、よく冗談に「大きくなったら倩娘を嫁にやろう。似合いの夫婦になるぞ」と言っていた。
 その後、二人は成人して、寝てもさめても慕いあうほどの仲になった。だが、張鎰はそのことを知らず、たまたま幕客の中で官吏に採用された者から求婚があったので婚約をきめてしまった。
 倩娘はそのことをきくと、すっかりふさぎ込んでしまった。王宙も内心ふかく張鎰を怨みに思い、都へ行って職につきたいからという口実で、張鎰の家を出ることにした。張鎰はわけを知らず、しきりに引きとめたが、王宙がどうしてもきかないので、仕方なく、十分に旅費をやって送り出した。王宙は怨みを胸の中にかくし、別れを告げて船に乗った。
 その日の夕方、船は二、三里離れた山麓の村の入江に泊った。真夜中になっても王宙は倩娘を思いつづけて眠れずにいると、岸を大急ぎで走ってくる足音がきこえた。この真夜中に、と不審に思い、聞き耳をたてていると、足音は船のところでとまった。のぞいて見ると、なんとそれは倩娘ではないか。倩娘ははだしのまま王宙を追いかけてきたのだった。
 王宙は気も狂わんばかりによろこび、倩娘の手を取って、
「どうしてきたの? わたしに会いにきてくれたの?」
 ときいた。すると倩娘は泣きながら、
「あなたがどんなにわたしのことを思っていてくださるか、よくわかりました。わたしもずっとあなたをお慕いしておりました。ところが両親はわたしたちのこの気持を踏みにじってしまいました。それでもあなたのお心に変りのないことがわかりましたので、死んでもいっしょになりたいと思って家をぬけ出してきたのです」
 と言った。王宙は思いがけず望みがかなって、小躍りせんばかりによろこび、倩娘を抱きしめた。その夜、二人は自然にはじめての契りを結んだ。
 船は数ヵ月たって蜀(しよく)に着いた。二人は蜀で暮した。
 そのまま五年の歳月が流れ、二人のあいだには子供が二人生れた。張鎰との音信はずっと絶たれたままだったが、倩娘は父母のことを思い出してよく涙を流した。
「親子四人、こうして楽しく暮しているのに、何が悲しくて泣いたりするのか」
 と王宙がいぶかると、倩娘は、
「あなたと添いとげるために家を出てきましたが、あれから五年、肉親の情はずっとへだてられたままです。同じ天地のもとに生きていながら、わたし一人がこうして楽しく暮していることを思うと、親に対して申しわけのない気がしてきて……」
 と言う。王宙は倩娘の両親を思う気持をあわれに思って、
「わたしもいまでは二人の子の親だ。親の子を思う気持はわかるよ。一度家へ帰って、ご両親に不孝をおわびしよう」
 と言った。
 王宙と倩娘は旅の支度をととのえ、二人の子供を連れて衡州へと旅立った。道中は格別のこともなく、やがて衡州に着くと、王宙は妻子を船の中に残して、まず一人で張鎰の家へ行き、これまでのことを話して不孝をわびた。すると張鎰は、
「何をいっているのだ」
 と言った。
「倩娘はおまえが家を出て行ったときから病気になって、もう五、六年間ずっと部屋で寝たきりだ。でたらめを言うのもほどほどにしろ」
「伯父様こそ、なぜそのようなでたらめをおっしゃるのです。倩娘も二人の子供も船の中で待っております」
「なに? 船の中にいる? 現に倩娘は部屋で寝ているのに……」
 張鎰はあやしんで、すぐ使いの者を船へやって調べさせた。ところが船の中にいたのは、まごうことなく倩娘であった。倩娘は晴れやかな顔で、使いの者に向って、
「お父様もお母様もお元気ですか」
 ときいた。
 使いの者は不思議でならず、急いで駆けもどって、このことを張鎰に知らせた。張鎰がなおも信じかねていると、下女が駆け込んできて、
「お嬢様が急にお起きになりました」
 と知らせた。張鎰夫婦がおどろいて部屋へ行ってみると、倩娘がいかにもうれしそうな表情で化粧をしている。声をかけても返事をせず、やがて着物を着かえると、ほほえみながら表の間のほうへ出て行った。張鎰夫婦があとについて行くと、ちょうど向こうからも、二人の子供をつれた倩娘がやってくるところだった。二人の倩娘は互いに歩み寄って、ぴったりと一つに合わさり、着物までが一つに重なってしまった。
 まことに奇怪ともなんとも言いようのないことだったので、張家ではこのことを秘密にしておいた。わずかに親戚の中に聞き知った者が幾人かいただけであった。
 それから四十余年たって王宙と倩娘は亡くなり、二人の息子はともに孝子として役人に採用され、一人は県丞(けんじよう)(県の副官)になり一人は県尉(けんい)になった。
 
 私は若いころこの話をきいたことがあったが、話の筋にはいろいろちがいがあったので、作り話だろうと思っていた。
 その後、代宗の大暦年間の末、山東の莱蕪(らいぶ)県知事をしていた張仲(ちゆうせん)という人に出会ったところ、王宙と倩娘との話をくわしく語ってくれた。張鎰は張仲の父かたの叔父にあたるので、彼は話をよく知っていたのである。ここに、張仲からきいたままの話を記録しておく次第である。
唐『離魂記』 
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