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中国怪奇物語183

时间: 2019-05-29    进入日语论坛
核心提示:  冥府(めいふ)の小役人 天宝年間のことである。御史台の役人に張(ちよう)某という者がいて、役所の命令で淮南(わいなん
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   冥府(めいふ)の小役人
 
 
 
 
 天宝年間のことである。御史台の役人に張(ちよう)某という者がいて、役所の命令で淮南(わいなん)地方へ裁判事情の調査に出かけた。
 淮河を渡ろうとして船を出しかけていたときである。黄色い上着を着た男が渡し場へ駆けつけてきて、
「急用があるのだ、船をとめてくれ」
 と叫んだ。張がそれをきいて船を出すのをやめさせると、男は乗り込んできた。船頭が、
「急用というのはなんだね」
 ときくと、男は、
「いや、なに。この船に乗せてもらって川を渡りたかっただけだ」
 と言った。
「なんだと! 川を渡りたいだけのことでお役人の船をとめさせるとは、なにごとだ。降りろ!」
 船頭が怒ってなぐりかかろうとすると、張は、
「なぐってはならぬ。渡し船とまちがえたのだろう。庶民を一人乗せてやったところで、どうということもない。なぐれば逆に、おまえがこの土地の役人からとがめを受けるぞ」
 と言い、
「腹をすかしているようだ。何か食べさせてやるがよい」
 と、部下の者に言いつけて食事をさせた。男はよろこんで張の好意を受けた。
 船が向こう岸に着くと、男は張に礼を言って別れて行った。ところが、つぎの宿場へ行ってみると、宿舎の入り口に、またその男がいた。張は、これは訴訟沙汰(そしようざた)の泣き落しにきたのにちがいない、と思い、不愉快になって、
「さきほど船に乗せてやった者ではないか。なぜまた、ここへ来たのだ。さっさと立ち去るがよい」
 と言った。すると男は、
「じつは、わたしは人間ではありません。あなたにお話ししたいことがあるのですが、部下の人たちにきかれるとまずいので……」
 と言った。張が男を一室に案内して人ばらいをすると、男は、
「もうお察しのことと思いますが、わたしは冥府(めいふ)の命令であなたの命を取りにきた亡霊なのです」
 と言いだした。
「あなたは淮河で溺れ死ぬことになっていたのです。わたしはそういう命令を受けてきたのですが、あなたがさきほど親切にしてくださったので、その恩に感じて一日だけ猶予(ゆうよ)することにいたしました」
「せめて、家へ帰って家族の者に遺言をするまで待っていただけないでしょうか」
「一日以上は命令にそむくことはできないのです。わたしはたまたまあなたの命を取る使者を仰せつかって人間世界へやってまいりましたが、冥土での本来の職分は、人間世界でいうと村役人のようなもので、自分の考えで事をきめることはできないのです」
 張が男のそばへ寄ってたのみ込もうとすると、男は手をふって、
「いけません。人間と亡霊とでは住む世界がちがいますから、近づいてはなりません。あまり近づくと、あなたの命がなくなりますよ」
 と言った。張は仕方なく、離れたところにひざまずいて拝礼した。すると男は、
「一日のうちに続命経(ぞくめいきよう)を一千回読みあげることができれば、寿命をのばすことができるはずですよ」
 と言い、そのまま外へ出て行ったが、門のところまで行くと、また引き返してきて、
「続命経というのをご存じですか」
 ときいた。張は一度もきいたことがない名なので、
「それはなんでしょうか」
 とたずねると、男は、
「人間世界でいう金剛経のことですよ」
 と言う。
「今日はもう日が暮れましたのに、金剛経を一千回も、どうしてとなえることができましょう」
「他人にとなえてもらえば、できないことはないでしょう」
 男はそういって出て行った。そこで張はあちこちに手配をし、宿舎の人や土地の人たち数十人を集めて、いっしょに金剛経をとなえはじめた。翌日の日暮れまでとなえつづけてようやく一千回を読みあげると、男がまたやってきて、
「お役人、もうあなたの命は助かりましたぞ。ただ、ちょっと冥府へ出頭するだけは、していただかなければなりません」
 と言った。
 そこに居あわせた数十人の人々は、そのとき、張が黄色い着物を着た男といっしょに宿舎を出て行くのを見た。
 男は張を冥府の長官の前に連れて行くと、
「この者は、続命経を一千回、数のとおり読みあげまして、寿命をのばしていただく資格を得た者でございます」
 と言った。長官はすぐ部下の者に命じて調べさせた。まもなく部下の者が復命して、
「たしかに一千回でございます」
 と言うと、長官はうなずいて、
「では、さらに十年の寿命を得るであろう。この者を放免して生き返らせよ」
 と言った。
 男は張を連れて冥府の門を出ると、
「人間世界へあなたを拘引(こういん)に行ったまま、復命するのがおくれましたので、さきほど笞(むち)で打たれましたよ」
 と言い、肌ぬぎになって傷あとを張に見せながら、
「いくらかお手当をいただきたいものですな」
 と言った。
「わたしは貧乏な役人で、しかも旅先のことですから、あまり多くの持ちあわせはありませんが……」
「いや、二百貫でけっこうです」
「紙銭(しせん)でよろしければ、五百貫さしあげましょう」
「ご好意はありがとうございますが、わたしはもともと福分(ふくぶん)の薄いたちで、そんなに多額の金をいただくわけにはいかないのです。二百貫でけっこうです」
「いまはわたしも冥土にいる身で、ここには何も持っておりません。宿舎へもどらないことには、金の工面(くめん)はつきませんが、どうしたらよろしいでしょう」
「なに、あなたが心の中で念じて、あなたの奥さんに支払うようにお言いつけになればよろしいのです。そうすれば、わたしが自分で受け取ってきます」
 張が一心に念じはじめると、男は、
「それでは、受け取りに行ってきます」
 と言って姿を消したが、しばらくするともどってきて、
「あなたの奥さんはくださるつもりなのですが、乳母どのが承知しないのです。乳母どのにも念じてください」
 と言って、また出かけて行った。
 張がまた一心に乳母を念じていると、まもなく男がもどってきて、
「受け取ってきました」
 と言った。その声をきいたとたん、張は意識が朦朧(もうろう)としてきて、深い穴の中へ落ち込んで行くような感じがしたと思うと、そのまま生き返った。
 後に張は休暇をもらって家へ帰り、以上の話をしたところ、妻はおどろいて、
「あなたがおっしゃる日の夜、わたしはあなたの夢を見ました。夢の中であなたはもう亡くなっていて、紙銭を二百貫ほしいといわれました。目がさめてからすぐ、紙銭を買うなり作るなりしようと思ったのですが、乳母が、夢の中のことなど信用できません、と言って反対しましたのでやめました。するとその夜、こんどは乳母が同じ夢を見たのです。そこで紙銭を二百貫買ってお墓へ供えに行きました」
 と言った。
 張はそれから十年後に死んだ。
唐『広異記』 
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