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中国怪奇物語199

时间: 2019-05-29    进入日语论坛
核心提示:  車の中の貴婦人 開元年間のことである。薛矜(せつきよう)という人が長安県の県尉(けんい)(県の属官)になり、宮市(き
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   車の中の貴婦人
 
 
 
 開元年間のことである。薛矜(せつきよう)という人が長安県の県尉(けんい)(県の属官)になり、宮市(きゆうし)の管理を担当した。宮市というのは宮苑内に開かれる市場のことであって、東西の二つの市場があった。
 薛矜は一日おきに東西の市場を見まわっていたが、ある日、東の市場の前にきれいな車が一台とめてあるのを見た。車には婦人が乗っていて、顔は見えないが雪のように白い手が見えた。薛矜はその美しさに心をひかれ、部下の者に銀細工の小箱をその車のところへ持って行かせた。すると婦人は侍女にその値をきかせた。部下の者が、
「これは長安の県尉の薛様の物です。もし車の中からおたずねがあったら、そのまま差しあげるようにと申しつけられております」
 と言うと、車の中の婦人はいかにもうれしそうに、
「ありがとうございます。県尉様によろしくお伝えくださいますよう。わたしは金光(きんこう)門外に住んでおります。よろしかったら、いつでもどうぞお越しくださいませ」
 と言った。
 薛矜は部下に車のあとをつけて行かせて、その家を見とどけさせると、翌日、さっそく訪ねて行った。と、婦人の屋敷の門外にはおびただしい数の乗馬がつないであった。案内を乞うのをためらっていると、来客はつぎつぎに帰って行った。そこで部下の者に名刺をとどけさせると、まもなく昨日の侍女が出てきて薛矜を表の広間へ案内し、
「奥様のお支度がすみますまで、しばらくお待ちくださいませ」
 と言った。広間には四方にあかあかと灯火がついていたが、なんとなく薄暗いように思われた。薛矜は灯火のそばへ寄ってみて、火がすこしも熱くないのを感じ、内心不思議に思った。
 と、また侍女がはいってきて、
「お支度がすみましたので、どうぞ」
 と言い、薛矜を奥の部屋へ案内して行った。部屋の帳(とばり)はすべて黒い布であった。奥に灯火が一つ見えたが、その火は暗くかすかで、近づいてきそうになってはまた遠ざかって行く。薛矜は、これは人間の住居ではないと気づいたが、あの美しい貴婦人がたとえ亡霊だとしても、会いたいと申しいれたのだから、一目会ってから帰ろうと思った。
「こちらでございます」
 と言う侍女の声がきこえて、奥の黒い帳があけられた。そこが婦人の寝室だった。婦人はあの雪のように白い手を膝(ひざ)に置いて坐っていたが、頭から薄絹をかぶっていて顔は見えない。薛矜はそばへ寄ってその薄絹を引っぱったが、はずれない。
「どうしてお顔を見せてくださいません?」
 と言っても、婦人は答えず、ただ雪のように白い手を膝に置いて坐っているだけであった。
 力を込めて引きはずして見ると、それは真っ黒で、どこが目とも鼻ともわからぬ、長さ一尺ばかりの大きな顔であった。あっとおどろくと、その顔は犬の吠えるような声で何やら、ことばにならぬ声をわめいた。薛矜はそのまま気を失ってしまった。
 薛矜の部下は門の外で長いあいだ待っていたが、日が暮れかけてきても主人がもどってこないので、門の中へはいって見た。と、門の中にはただ棺を安置する殯宮(ひんきゆう)があるだけで、ほかには何もなかった。主人がいるとすればこの殯宮の中しかないと思い、入り口をさがしたが、どこにも入り口はない。あわてて殯宮の壁をたたくと、壁がくずれて、中に主人の倒れているのが見えた。
 薛矜はすでに息がなかったが、胸のあたりにかすかに温(ぬくも)りが残っていたので、部下は金光門外の旅舎へかつぎ込んだ。医者は安静にしておくよりほか手はないと言った。薛矜はそれから一月あまり後に、ようやく息をふきかえしたのだった。
唐『広異記』 
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