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中国怪奇物語204

时间: 2019-05-29    进入日语论坛
核心提示:  陸判官 建康(けんこう)に仲のよい二人組の楽士(がくし)がいた。 ある日、日が暮れてから二人で町へ出かけたところ、大
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   陸判官
 
 
 
 
 建康(けんこう)に仲のよい二人組の楽士(がくし)がいた。
 ある日、日が暮れてから二人で町へ出かけたところ、大家(たいけ)の下男らしい男に呼びとめられた。
「あなたがた、これからどこへおいでです」
「別に、あてはありません」
 二人が言うと、下男はよろこんで、
「それは、ちょうどよいところでお会いしました。実はわたしは陸判官さまの家の者ですが、今夜急に宴会を開かれることになりましたので……」
「楽士をさがしにきたとおっしゃるのですね」
「はい。お願いできるでしょうか」
「それがわたしどもの商売です。承知いたしました」
 二人の楽士が下男のあとについて行くと、町の北門を出たところに、大きな邸宅があった。
 さっそく宴席へ案内された。美しく飾りたてた部屋で、机の上にはさまざまな料理が並べられていた。来客は十人あまり。みんな楽しそうに談笑しながら、酒を飲んでいた。
 二人が楽を奏していると、やがて主人らしい人が立ちあがって、
「さあ、もう食事にしましょう。飲み足りないかたは、酒もまだたくさんありますから、ご自由にお飲みください」
 といった。二人はそのとき、自分たちもここで一休みしてもよいのだろうと思い、一曲が終ったときに演奏をやめた。すると、さきほどの下男がやってきて、
「宴会はまだ終ったわけではありません。つづけてください」
 といった。来客たちはまた楽しそうに談笑しながら飲んだり食ったりしだし、楽士二人はまた楽を奏しはじめたが、宴会はいつ果てるともなくつづき、楽士たちはいつまでも演奏しつづけなければならなかった。
 疲れてやめようとすると、すぐ例の下男がやってきて同じことを言った。
「宴会はまだ終らない。つづけてください」
 夜はしだいにふけ、二人は疲れとともに空腹を覚えてきたが、だれも休めとは言わず、だれも食事をさせようとはしない。
 やがて夜が白みかけるころになると、主人らしい人がまた立ちあがって、
「今夜はまことに楽しい会でした。もう夜があけますから、これでお開きにしましょう」
 と言った。客たちがみな立ちあがり、がやがや言いながら散って行くのを見て、二人の楽士はその場にうずくまったが、もうすっかり疲れ切っていて、そのまま横になると正体もなく眠り込んでしまった。
 二人の楽士が目をさましたときには、すでに日が高くのぼっていた。まぶしい目をこすりながら見まわすと、そこは大きな邸宅のなかではなく、草むらのなかであった。そして、二人が寝ていたかたわらには、大きな塚があった。
 二人はそのときはじめて、昨夜の人々がみな亡霊だったことに気づいた。主人らしい人も、十人あまりの客も、そしてあの下男も。
 北門外の村人にきいてみると、その塚はむかしから陸判官の塚と言い伝えられているが、いつの時代のどういう人であるかはわからない、ということであった。
宋『稽神録』 
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