笑府
ある男、友人のところへ行って、
「うちの女房ときたら、このごろますますひどくなって、夜の便器の始末までおれにやらせやがるんだ」
とこぼした。すると友人は肱(ひじ)を張って、
「そうか。それはひどい。おれだったら、そんなことをいわれたら……」
といいかけたが、そこへその女房がはいってきて、
「あなただったら、どうするとおっしゃるのです」
というと、びっくりして女房の足もとにひざまずき、
「わたしだったら……やっぱりいわれたとおりに始末します」