笑府・笑得好
よくほらを吹く男がいた。
「昨日、山から帰るとき、長さ数百丈、高さ五、六尺もある大蛇を見た」
というと、人々が、
「あの山に、そんな数百丈もあるような大蛇がいるはずはない」
という。
「数百丈はなかったとしても、数十丈はあったよ」
「数十丈のだっているはずはないよ」
そこで男はだんだん短くして行って、数丈にまで減らしたが、それでも人々が信じないので、考え込んでしまった。
「どうしよう? だんだん長さと高さが同じになってきて、四角になってしまいそうだ」