笑府
『論語』に次のような一章がある。
宰予(さいよ)、昼寝(い)ぬ。子曰く、朽木(きゆうぼく)は雕(ほ)るべからず、糞土(ふんど)の牆(かき)は〓(ぬ)るべからず。予に於てか何ぞ誅(せ)めん。(公冶長篇)
宰予が昼寝をしたというので、孔子様は、
「そなたはまるで朽木か糞土のような奴じゃ」
ときびしくお叱りになった。ところが宰予は負けてはおらず、
「わたしは夢に周公を見ようと思って眠ったのです。それなのに、なぜそのようにお叱りになるのですか」
「ふん、昼間が夢に周公を見る時か」
「そうです。周公は夜中においでになるような方ではありません」