笑賛
蘇東坡(そとうば)が仏印(ぶついん)禅師にいった。
「古人はよく僧と鳥を対(つい)にしますな。たとえば、
鳥宿池辺樹 鳥は宿る池辺の樹
僧敲月下門 僧は敲(たた)く月下の門
とか、また、
時聞啄木鳥 時に聞く木を啄(つつ)く鳥
疑是扣門僧 疑うらくは是れ門を扣(たた)く僧
というように」
「鳥」とは俗語で男の一物を指す。坊主頭もまた「鳥」に似ている。つまり蘇東坡は仏印禅師をからかったのである。
すると仏印禅師はいった。
「しかし、今日は拙僧(わたし)とあなたが対になっておりますな」