忠告
韓非子(説難篇)
鄭(てい)に金持の男がいた。息子が仕官することになり、赴任するときに、
「壊れている垣根を修理しておかないと、泥棒にはいられますよ」
といった。
隣家のおやじも同じことをいって忠告した。
しかし、なおしておかなかったために、ある夜、泥棒にはいられて、ごっそり金品を盗まれてしまった。
金持は「やっぱり伜(せがれ)はよく気がつくわい」と思い、そして、隣家のおやじを怪しいと疑った。