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物理の風景01

时间: 2019-07-26    进入日语论坛
核心提示: まえがき 本書の大部分を構成する二ページ見開きの百篇の短文は、一九七〇年二月から一九七四年九月までの間、北海道新聞夕刊
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  まえがき
 
 本書の大部分を構成する二ページ見開きの百篇の短文は、一九七〇年二月から一九七四年九月までの間、北海道新聞夕刊の「魚眼図」欄に掲載されたものである。
 執筆をはじめたのは、大学紛争の嵐が終熄《しゆうそく》しておらず、何とはなしにすさんだ空気がまだ学園にただよっていたころだった。それがもうずいぶん昔のことだったような気がする。
 移り変わりの速い今の時代では、足かけ五年というのはけっこう長い年月であり、時節とほとんどかかわりのない私の閑文字の中にも、ややタイミングがずれてしまったと思われるものがある。しかし、そういうものにもそれなりの意味があるかもしれないと考えて、大幅な書きかえは避け、構成上の都合で三篇ほどを書き下ろしのものと入れかえたほかは、若干の加筆・修正を行うのに止めた。
「魚眼図」というコラムの趣旨は、筆者の専門の世界と一般社会との間に架け橋を作るということなのだが、私が専攻している数理物理、固体物理、統計物理の場合には、わずか二ページの短文によって架け橋を作るのは至難のわざである。いきおい私の筆は、これらの数理的物理の世界のあちこちの寸景をごく大まかにスケッチしたり、この世界の住人が外をのぞいたときに眼に映じる風景を描写したり、また時には息ぬきに外の世界へ迷い出て、専門と関係のないおしゃべりをする、というようなことになった。しかしもし拙文が、読者に数理的物理の片鱗をうかがっていただいたり、数理物理屋の見た外界の姿に一興をおぼえていただくよすがとなるならば、筆者にとって大変うれしいことである。
 末尾に集めたいくつかの文章は、「魚眼図」とは別個に新聞、雑誌に書いた随筆類のうち、前記の意味で「魚眼図」の短文を内容的に多少とも補い得ると思われるものである。これらが掲載された場所は次の通りである。
 
画家と物理屋 「底流」(北大理学部総合雑誌)第一〇号(一九七二年)
数学はあこがれの美女 「現代数学」第六巻第六号(一九七三年)
弱さと規格外れと文明と 「北海道新聞・夕刊」(一九七三年一一月)
紅茶・テープレコーダー・エントロピー 「蟻塔」第二〇巻第六号(一九七四年)
物理屋・汽車・トポロジー 「現代数学」第六巻第一一号(一九七三年)
 
 刊行にあたって、「魚眼図」連載中終始筆者を鞭撻《べんたつ》された北海道新聞社の高崎信義、貝塚忠弘、山口理喜三、大沢哲夫、岡野修の諸氏、およびブルーバックスの一冊としてまとめることをすすめられた講談社の小枝一夫氏と、きれぎれの文章を本にするというやりにくい仕事を果たして下さった同社の堀越雅晴氏に、深謝の意を表したい。原稿の浄書その他については、「魚眼図」連載中森本裕子さん、貞方道子さんおよび川崎栄子さんに、また今回本にまとめるに際して中村秀子さんおよび朝山雅子さんにお世話になった。これらの方々にも厚くお礼申しあげる。
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