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物理の風景03

时间: 2019-07-26    进入日语论坛
核心提示:ブラウン運動  花粉から物理学へ イギリスの植物学者ブラウンが、一八二七年、水の上に浮かんだ花粉を顕微鏡で観察していて、
(单词翻译:双击或拖选)
 ブラウン運動
  ——花粉から物理学へ
 
 イギリスの植物学者ブラウンが、一八二七年、水の上に浮かんだ花粉を顕微鏡で観察していて、花粉が酔っぱらいがよろめくような不規則な運動を活発に行っていることを発見した、といういい伝えはよく知られている。その後鉱物の微粒子なども同様な運動を行っていることがわかり、一般にこの種の運動を彼の名をとってブラウン運動と呼ぶようになった。
 ブラウン運動は相対性理論で有名なアインシュタインを始め、ペラン、ランジュバンなどの物理学者によって研究され、熱運動をしている液体の分子が、粒子に時々刻々でたらめな方角からぶつかってくるために生じるものであることが明らかにされた。
 最近液体に限らず、結晶を造っている原子の一つを非常に重い原子でおきかえると、それはブラウン運動とよく似た運動をすることが示されたが、これも結晶格子の熱運動のために生じるのである。また電気回路の中の電流のゆらぎや、その他の種々の物理量が示すゆらぎも、やはり熱運動によって生じるものであって、理論的にブラウン運動とまったく同様にとり扱えるものであることが認識されるようになった。この意味で、これらを一般のブラウン運動と呼ぶことがある。
 温度が絶対零度でないかぎり、どんな物質の中の原子や分子も必ず熱運動を行っているから、ブラウン運動はきわめて普遍的な現象であり、このため一般のブラウン運動の研究は、物性物理学における重要なテーマの一つになっている。またブラウン運動は時間的に変化する確率現象、すなわちいわゆる「確率過程」の一種であるから、数学の確率過程論における研究対象にもなっている。サイバネティックスの創始者として有名なウィーナーとソ連の数学者ヒンチンが独立に導いたウィーナー‐ヒンチンの定理は、確率過程論の基本定理の一つであり、物理のブラウン運動理論でも中心的な役割を演じる。
 植物学者ブラウンが一世紀半を経た今日、物理学や数学における重要な分野の一つに名を残しているのは面白いことである。
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