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物理の風景15

时间: 2019-07-26    进入日语论坛
核心提示:物理学と異常心理  極低温物理学はなぜ盛んになったか 最近は毎年何十という物理学関係の国際会議が、世界のいたるところで開
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 物理学と異常心理
  ——極低温物理学はなぜ盛んになったか
 
 最近は毎年何十という物理学関係の国際会議が、世界のいたるところで開かれる。その規模はピンからキリまであるが、極低温物理学の国際会議は最も大きいものの一つである。一九七〇年秋に京都で開かれたときも、参加者約五〇〇名という盛況であった。
 極低温物理学というのは、絶対零度に近い温度で物質がどんなふるまいを示すかを研究する物理学の分科である。戦前はそのような低温を作り出す装置が限られたところにしかなかったために、この分科の研究者の数は十指に余る程度であったが、現在では極低温発生装置がいたるところの研究所や大学にあって、研究者の数も桁ちがいに増えたのである。
 しかし、極低温下の物性の研究が盛んになったわけはそれだけではなくて、それが物理学、とくに物性物理学において極めて重要な意味をもつからである。
 普通の温度では、物質を造っている原子ははげしい熱運動をしており、これがいわば雑音の役割をして、原子が多数集まるとどういう行動を起こすかを純粋な形で観測することができない。しかし絶対零度に近い低温ではこの雑音がほとんどなくなるので、原子の集団のふるまいが非常にはっきりと見えてきて、その本質がよく掴まえられるのである。
 極端な条件を人工的に作り出すことによって、物質の性質のある面が純粋に現れるようにして観測を行うことは、極低温物理学に限った話ではない。超高圧物理学や高温物理学もそうであるし、もっと一般に物理の実験というものは、つねにできるだけ極端な、または簡単な条件の下で観測を行って、物の性質の本質をえぐり出そうとする試みであるということができる。
 極端な条件の下ではじめて表に現れてくる人間の深層心理のメカニズムを研究するのが異常心理学であるが、上のような意味で、物理学が他の物理的自然科学の中で占めている位置は、異常心理学が心理学の中で占めている位置に似ているということができよう。
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