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物理の風景35

时间: 2019-07-26    进入日语论坛
核心提示:数理のつくもの  さまざまな数学の応用 担当している講座の名前が数理物理学であるために、数理物理学者という肩書きをつけら
(单词翻译:双击或拖选)
 数理のつくもの
  ——さまざまな数学の応用
 
 担当している講座の名前が数理物理学であるために、数理物理学者という肩書きをつけられることが時々ある。私がもっぱら研究しているのは固体の理論と統計力学であって、厳密な意味で数理物理学とはいえないのだが、これらの中では比較的数学的な面をつついているから、まあ当たらずといえども遠からずだろうと思っている。
 それはさておき、昔は「数理」のつく学問分野は数理物理学と、地図の投影法をもっばら研究する数理地理学ぐらいしかなかった。戦後は、数理経済学という名をしばしばきくようになり、最近では数理生物学とか数理言語学とよばれる分野も誕生して、それぞれの専門雑誌が発行されるようになった。さらに、数理的なとり扱いが多少とも発達しているいろんな自然科学、社会科学の分野の総称として、「数理科学」という呼び方が人口に膾炙《かいしや》するようになってきた。
 数学というものは、表面複雑にからみ合って手のつけられないように見える自然現象や社会現象の奥にひそむ法則性を抽出し、それを数式の形にして非常に簡潔に表現し、物ごとの本質がすっきり見通せるようにする点で有用なものである。数学が多くの分野に応用されるようになって、さまざまな現象の本質が明らかにされるのは非常に有意義なことであろう。
 しかし反面、現象の奥にひそむ法則性を純粋な形でとり出すためには、余計な複雑な因子を切り捨てて、物ごとを単純化することがどうしても必要である。この切り捨てられた因子がモノをいう場合もまたしばしばあることを忘れてはならないであろう。さらに、きれいな理論を作ることがあまりにも魅力的であるために、ついつい単純化が行きすぎ、現実ばなれのしすぎた理論が、単に形式的に美しいというだけで大手をふって通用してしまう、という危険性もないわけではない。
 何でも数理のまないたにのせることを無条件に讃美することはできないのである。
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