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物理の風景36

时间: 2019-07-26    进入日语论坛
核心提示:暗箱理論  未知なるものへの打診的対話 はじめて会った人と話すとき、われわれはまずいろんな日常的会話から始め、相手がどう
(单词翻译:双击或拖选)
 暗箱理論
  ——未知なるものへの打診的対話
 
 はじめて会った人と話すとき、われわれはまずいろんな日常的会話から始め、相手がどういう話題にどういう反応を示すかを見て、その人の気心を知ろうとするのが普通である。組手の脳を分析してその構造をしらべることができない以上、これより他に方法はないであろう。
 物質の性質を研究する場合にも、その原子的な構造がわからないとき、またはある程度わかっていても、それから理論的にその物質の性質を導き出すのが難しいときには、これと同じように、外からいろいろな力を加えてみて、その反応をしらべる、という方法が使われる。物質の内部構造を一応不問に付して、いわば中が真暗で何が入っているかわからない箱のようなものとしてとり扱うので、こういうやり方を「暗箱の方法」と呼ぶ。
 外から加える力としては、力学的な力のほか、電磁気的な力すなわち電場や磁場、熱力学的な力すなわち温度差や濃度差など、種々のものを考えることができる。これらに対する物質の反応を一般に「応答」と呼ぶが、これも力学的な変位のほか、電気分極、磁化、熱の流れなど、いろいろの形のものが現れる。一種類の力に対して一種類の応答だけが現れるのではなく、たとえば力学的な力を加えると力学的な変位のほかに電気分極も現れる(ピエゾ電気)、というように、一般に一種類の力を加えても、多種類の応答が現れる。もちろん幾種類かの力を同時にはたらかせることもできる。一般の力と、それに対する一般的な応答との間の関係を系統的に論じて、暗箱の方法に理論的な基礎を与えるのが「暗箱理論」である。
 暗箱理論は物質の原子的構造に直接は触れないいわゆる現象論である。とはいっても原子的構造を知る上に、または原子的構造とその物質の性質との結びつきを明らかにする上に重要な手ががりがこれから得られるので、未知の人との打診的対話と同じく、欠くことのできないものであり、物理学のいたるところで使われてその威力を発揮している。
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