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物理の風景54

时间: 2019-07-26    进入日语论坛
核心提示:零 番  零から始めよ 札幌駅には零番ホームというホームがある。ほかにも零番ホームのある駅は珍しくないが、どれも一番ホー
(单词翻译:双击或拖选)
 零 番
  ——零から始めよ
 
 札幌駅には零番ホームというホームがある。ほかにも零番ホームのある駅は珍しくないが、どれも一番ホームよりさらに内側に、あとからできたホームである。
 物理学の法則や現象にも零という番号をもったものがある。最も有名なのは熱力学の第零法則であろう。これは、物体Aと物体Bとが互いに熱平衡にあり、物体Bと物体Cも互いに熱平衡にあるときは、物体Aと物体Cも互いに熱平衡にある、というよく知られた経験事実に法則の名を与えたものである。有名な第一法則と第二法則よりもある意味ではより基本的なので、第零という名が付けられたのである。
 現象では、最近第零音波ということがよくいわれる。音が物質の中を伝わる疎密波であることはよく知られている。温度の波、すなわち冷たいところと熱いところが波打ちながら伝わるということは通常は起こらないが、ある種の物質では、特定な条件の下でこのような波が伝わることがわかっている。これを第二音波といい、これに対して普通の音波を第一音波とよぶ。密度の疎密や温度の高低を作り出すのは物質粒子の変位であるが、これがそれ自身、いわばナマのままで伝わる波のことを第零音波というのである。
 以上は何《いず》れも、零番という番号があとからつけられた例であるが、はじめから零番という番号をつけることも近頃は多くなってきた。たとえば第一章から始まらずに第零章から始まる本に最近時々おめにかかる。最初の章は全体の展望や概説にあてられることが多く、しかも本論が始まる手前にあるから、それが自然なのである。
 手前にあるとか、基本的であるとかいう理屈がなくても、何でも零から始める方が自然であるとも考えられる。一日の時刻が零時から始まるように。いずれにしても、欧米では零から始まって九で終わる電話のダイアルが、日本ではなぜ一から始まって零で終わるのか、私にはどうも納得がいかない。
 
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