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物理の風景56

时间: 2019-07-26    进入日语论坛
核心提示:プロとアマ  大学は科学同好会にあらず ピアニストでもバイオリニストでも、また指揮者でもよいが、ステージに立って、万人の
(单词翻译:双击或拖选)
 プロとアマ
  ——大学は科学同好会にあらず
 
 ピアニストでもバイオリニストでも、また指揮者でもよいが、ステージに立って、万人の鑑賞に耐える演奏をすることができるならば、その人はプロである。
 さらに、単にプロであるだけでなく、音楽というもののあり方についてそれなりの見識をもち、それが演奏の深味となってにじみ出るならば、その人は立派な芸術家だといえる。
 自分は演奏に関しては自分自身が楽しめるだけ、すなわちアマの域を脱しないが、しかし音楽全般にわたって広い知識をもち、音楽がいかにあるべきかという哲学をもっている。だから自分は芸術家である、と主張する人がいたら、それはもの笑いの種でしかないであろう。音楽について見識をもつことは芸術家であるために必要ではあるが、決してそれだけで十分ではないからである。
 同じように、自然科学者として認められるためには、まず専門領域でその仕事が世界的な評価に耐えるプロでなければならない。この場合音楽家の演奏に相当するものは学術論文である。自然科学についていかに広い知識をもち、そのあり方に関して独自の見識をもっていても、専門の研究を行って論文を書く実力がなければ、その人は評論家ではあり得ても自然科学者とはいえない。
 プロになるには少なくとも数年間の、他のすべてを投げうった習練と没入が必要である。またプロであり続けるためには、不断の勉強が要求される。これに耐えるためには音楽なり科学が好きでなければならないが、好きだからといって必ずしも耐え得るとは限らないのである。
 音楽学校をアマの音楽同好会や評論家のたまり場と考える人はいないであろう。ところが自然科学の場合、大学の学部はともかく、大学院まで科学同好会のようなつもりでいる向きが絶無でないのは、困ったことである。プロのきびしさが音楽家の場合ほどでないためであろうか。それともきびしさは同じでも、それがあまり表立たないためであろうか。
 
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