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物理の風景91

时间: 2019-07-26    进入日语论坛
核心提示:デス調・デアル調  英語で考え、英語で書く 英語で論文を書くとき、先生は一度日本語で書いてからそれを英語に翻訳しますか、
(单词翻译:双击或拖选)
 デス調・デアル調
  ——英語で考え、英語で書く
 
 英語で論文を書くとき、先生は一度日本語で書いてからそれを英語に翻訳しますか、それともはじめから英語で書きますか、と学生に尋ねられることがときどきある。
 ちょっと考えると、研究の内容を文章で表現するという厄介な仕事は、まずお手のものの日本語でやっておいてからそれを英語に移し変える方が楽なように思える。しかし事実はさにあらずで、はじめから英語で書く方がはるかに楽でもあり、速くもある。それは、日本語と英語では話の運び方、むずかしくいえば文章の論理構造がまったくちがっているからである。日本語から英語への翻訳は単なる機械的操作ではすまず、英語の論理に合うように話の運び自体から作りかえてかからなければならないから、結局二度手間になり、それくらいならはじめから「英語で考え」、英語で書いてしまった方が早いのである。英語に早く上達しようと思ったら英語で考える習慣をつけよ、といわれるのもまったく同じ理由からである。
 話は少し変わるが、あちこちの雑誌に書いた雑文を集めて本にしたとき、デス調で書いたものとデアル調で書いたものとが混っていたのを、デアル調に統一しようと思ったことがある。
 ところが、デスをデアルに直しさえすればよいと思って始めたところ、それでは極めて妙ちきりんな、筋の通らない文章になってしまい、ちゃんとしたデアル調の文章にしようと思うと、結局話の運びをまったく作り直さなければならないことに気がついて愕然とし、あまりのわずらわしさにとうとう統一するのをあきらめてしまった。
 同じ日本語の文章同士でさえ、書き方のスタイルすなわち文体がちがうと論理構造がこれほどちがい、日本語を英語に直す場合に似たようなことが起こるとは、それまで夢にも考え及ばなかったのである。今更ながら、使うコトバによってものの考え方が如何に強く規定されるかということを身にしみて感じ、おそろしいものだとつくづく思ったことであった。
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