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鬼平犯科帳の人生論08

时间: 2019-07-30    进入日语论坛
核心提示:● 人を動かす極意[#ここから5字下げ](さて、だれがよいか?) 大滝の五郎蔵か、小房《こぶさ》の粂八《くめはち》か、伊
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 ● 人を動かす極意
 
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(さて、だれがよいか……?)
 大滝の五郎蔵か、小房《こぶさ》の粂八《くめはち》か、伊三次か……。
 と、そのとき、ふと、平蔵の脳裡に浮かんだ一事がある。
「うむ」
 すぐさま、うなずいた長谷川平蔵が、
「利平治。この役はひとつ、わしが買って出よう」
 と、いったものだ。
[#ここで字下げ終わり]
[#地付き]「殿《との》さま栄五郎《えいごろう》」
 
 火付盗賊改方の長官みずからが�殿さま栄五郎�という盗賊になりすまし、一味に加わって盗賊どもを一網打尽にしようというのである。この申し出に、むろん周囲の者たちは仰天した。が、そうと決まれば、話は早い。輩下の者たちは独自の機動性を発揮して機敏に動きだした──。
 部下が思うように動いてくれないことに、世の多くの上司たちは頭を悩ませているという。
 では、「人を動かせない上司」とはどういう人間なのか。まずはそこから考えてみたい。
「人を動かせない上司」は、そもそも「人を動かす」ことの意味を誤解しているようだ。
「自分はじっとして動かず、相手を意のままに操る」くらいにしか考えていないのである。
 だから、自分ならとてもじゃないが引き受けないような難題を平気で部下にもちかけ、あげく、
「あいつは仕事ができん」
 と嘆き、
「もう少しマシなのはいないのか、まったく」
 とぼやいている。
 じっさい「人を動かせない上司」は傲岸不遜の皮肉屋であることが多い。要するに、人を動かせない人間は、お椀に入った伊勢海老のように地位や立場にあぐらをかいて、気まぐれに大きな掛け声をだしているにすぎないのである。口を動かすばかりで、頭と身は動かしていないのだ。
 いっぽう、人を動かすことのできる人はどうか。
 自分が率先して動くことにためらいがない。というか、即座に熟考し、すばやく決断し、迅速に行動することを自分に課していさえする。
 またそうすることで、目的に対する熱意と、組織における統率力を部下に示すことができるのだということもあらかじめ承知している。
 平たくいえば、人を動かす極意とは、自分が動くことである。
 自分が動けば、まわりも動く。
 説教一本ではダメなのだ。若い頃の自分をもちだし、ああしたこうしたと「巧妙な自慢」をちりばめながら説教をしても人は動かない。
 行動を伴った小さな習慣を積み重ねることで人はついてくる。少なくとも、人を動かすことのできる人はそう心得ている。それで組織の士気も高まる。こう考えれば、人を動かすことなど、さほどの労を要する難事ではない、と平蔵はいっている。
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