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鬼平犯科帳の人生論25

时间: 2019-07-30    进入日语论坛
核心提示:● 「尊大」という病を患うな[#ここから5字下げ]「相手は三人だ」「ま、三人も」「うむ。おれが二人を相手にして、御頭は一
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 ● 「尊大」という病を患うな
 
[#ここから5字下げ]
「相手は三人だ」
「ま、三人も……」
「うむ。おれが二人を相手にして、御頭は一人を追いかけて行かれてな。そいつを捕えた。おれは一人を斬って捨てた」
 と、忠吾は平蔵のはたらきを横取りしてしまい、
「そのとき、後ろから来たやつに、太股をやられた。これは、どうも、いくらおれが強くても防ぎきれなかったよ。何しろ、おたか。二人を相手にしたのだからな」
「まあ、さようでございましたか……」
[#ここで字下げ終わり]
[#地付き]「麻布一本松《あざぶいつぽんまつ》」
 
「尊大」という病に罹《かか》っている人がいる。いかなる症状がでるのか。
一、訊《き》いてもいないのに己れの虚飾に満ちた自慢話や荒唐無稽な法螺《ほら》話をとくとくと語ったり、非現実的な抱負|経綸《けいりん》をぶちあげることができる(カラスが孔雀《くじやく》の羽を身につけて得意がってもすぐに見破られてしまうものだが、本人はあくまでも孔雀のつもりなのだ)。
二、�持ち時間�のすべてを独り占めしようとする(自分は�主役�なので、他人の時間も含めて、その場の時間はすべて自分に捧げられるものと思い込んでいる)。
三、たえずイライラしている(自己顕示欲が旺盛で、いつも注目されたいと思っているのだが、そうでもないこともあるので不満がくすぶるのである)。
四、のべつ賞賛の言葉を期待している(いかに自分が特別であり独特であるかを滔々《とうとう》としゃべり、しかも感心と賞賛の言葉を臆面もなく要求する。心の発達が未成熟であるといわざるをえない。賞賛の言葉を受けているうちは、寛大、鷹揚、太っ腹である)。
五、むやみに威張る(たとえば尊大な上司は、部下のアイデアを鼻であしらい、せせら笑って、叩きつぶすことばかりを考えている。叩きつぶすことで、自分が部下よりも経験が豊かで有能だということを確認したいのである。さらにいえば、上にペコペコする度合いと、下に威張り散らす度合いはほぼ比例する。上に対してへつらわない人間は、下に対しても傲慢で不遜な態度はとらないものだ)。
六、人見知りをする(誰も指摘していないが、尊大な人間はじつは人見知りをする。「人見知りをする人は、心底では人からよく思われたいという願望が人一倍強い」との確信を小生はもっている)。
七、過剰に謙虚である(人間が小さければ小さいほど尊大さは肥大化する。なんとも滑稽な反比例式だが、それよりもやっかいなのは尊大は謙虚の服を着たがるということだ。過剰な謙虚は歪んだ自己顕示欲の裏返しであり、ほとんど尊大である。が、多くの人はそれに気がついていないようだ)。
 尊大な人間は、いうならば「お山の大将」なのだ。自分のお山で自慢やら功績やら武勇をふれまわっているうち、自己がどんどん肥大化し、自分をとてつもなく偉大な人物だと思い込むようになる。
 そして、これが高《こう》じると誇大妄想の領域に入り込むようだ。こうなると、外部との「関係」がつかめなくなり、時代の「空気」が読めなくなって、現実感覚を失ってしまうことになる。それでもまわりの人たちが「さわらぬバカに祟《たた》りなし」と考えて、押し黙って何もいわないと、彼もしくは彼女は政治家への道を考えるようである。尊大とは、もっとも根治が難しい難病のひとつである。
 
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