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鬼平犯科帳の人生論39

时间: 2019-07-30    进入日语论坛
核心提示:● 希望は与えられるものではない[#ここから5字下げ] 平蔵が、うしろへついてくる細川峯太郎へ、「どうじゃ。少しは胸の閊
(单词翻译:双击或拖选)
 ● 希望は与えられるものではない
 
[#ここから5字下げ]
 平蔵が、うしろへついてくる細川峯太郎へ、
「どうじゃ。少しは胸の閊《つか》えがはれたか」
「はっ……そ、それにしても……」
「どうした?」
「あまりに、ちがうものでございますから……」
「おれと、お前がか」
「は、はいっ」
「当り前だ。おれは、お前のように、ぼんやりと日を送ってはおらぬ」
[#ここで字下げ終わり]
[#地付き]「泣《な》き男《おとこ》」
 
 人間には誰しも得意とするものがあり、その技能に磨きをかけると他人から評価されることが多くなり、ますますやる気がでるが、なおも頭角をあらわすには「なりたい自分」にどれだけ本気になれるか、これが決定的に重要である。むろんその達成には、才能、方途、時運などがさまざまに絡み合うわけだが、「甘えを捨て去った情熱をもつこと」こそが、その大きな推進力となる。
 記憶にある読者も多いと思うが、ひと頃、『希望の国のエクソダス』という村上龍氏の小説が話題になった。日本という国に絶望した中学生たちがエクソダス(脱出)を目論《もくろ》むという物語だ。その小説のなかで中学生の少年が「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」との感慨を述べる場面がある。で、小生はこの発言の反応に驚いたのである。驚いたのは、ろくすっぽ人生を生きたこともない餓鬼が利《き》いたふうな言辞を吐いたということではなく、多くの識者たちがこの発言に共感をおぼえたということにである。豊葦原《とよあしはら》の瑞穂《みずほ》の国に生を享《う》けて四十余年、これほど知的に驚愕したことはめったにあるものではない。多くのメディアで、評論家とか知識人といわれるような人たちがあまた共感の意をあらわしたのだ。日本人はここまで腑抜けになってしまったのか。まさか希望さえも国から与えられるものだと本気で思っていたとは……。笑止の沙汰とはこのことである。苦労して「何でもある国」をつくってくれた先人たちにすまぬとは思わぬか。バチあたりめ。古人を無思慮に侮るな。
 歳を重ねることが人間的成熟を意味しないことぐらい知っていたが、この国の住人たちは飽食の度合いを強めるにつれ、破廉恥といってよいほど幼稚化しているようだ(ここでいう幼稚とは、頭が悪いとか物を知らないというのではなく、肝心なことを考えないということである)。赤ん坊は口を開けていればご飯が入ってくる。入ってこなければ、泣いて駄々をこねればよい。この赤ん坊がまさにいまの日本人ではないだろうか。ためしに貧しい国や紛争地域に行って「虚しい」とか「満たされない」とつぶやいてみるといい。「よしよし」してもらえるどころか、見向きもされないだろう。みずから助けようとせぬ者を、いったい他の誰が助けてくれるというのか。
 こんなふうだから、いざ希望をもてというと、「とにかく日本を脱出したい」だの、「やさしい国際人になりたい」などという、吹雪の荒野に裸で飛びだすようなとんでもない希望を掲げてしまう。開いた口が閉口してしまうね。
「甘え」とは、誰かに寄りかかり、ぶらさがって、ぼんやりと生きていくことである。つまり、自分の生殺与奪の権利を他者に委譲してしまうことだ。
 希望の芽は、「甘え」を拒否した毅然たる態度にしか顔を覗かせないものだ。日本人が甘えを捨て去ったときにはじめて、日本は「世界に日本があってよかった」といわれるようになるだろう。
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