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鬼平犯科帳の人生論43

时间: 2019-07-30    进入日语论坛
核心提示:● 部下としての心得[#ここから5字下げ] むろん、小柳安五郎という男が他人を讒訴《ざんそ》するような男でないことは、平
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 ● 部下としての心得
 
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 むろん、小柳安五郎という男が他人を讒訴《ざんそ》するような男でないことは、平蔵もよくわかっている。そればかりか、数多い同心の中でも思慮が深く、それでいて、いざとなると純真な直情をむき出しにするような小柳の性格から推《お》して看《み》て、今夜、同僚の黒沢の行状を平蔵に告げたというのは、
(よくよくのこと……)
 と、看《み》てよい。
[#ここで字下げ終わり]
[#地付き]「網虫《あみむし》のお吉《きち》」
 
 手厳しい言い方に聞こえるかもしれないが、親と上司は選ぶことができない。まず、このことを耳うちしておく。
 上司には、統率力のある上司、決断力にすぐれている上司、身だしなみはよくないが着眼力と表現力に恵まれている上司、交際意欲は旺盛だが裏読みのできない上司、髪は薄いが信頼は厚い上司、剛毅な気性であるが雑駁《ざつぱく》な上司、抜群の子分肌を発揮する部下にしか目をかけない上司、無節操にして一本気な上司、他人には厳しく自分には甘い上司、自分で決めたくせに他人のせいにしたがる上司、昼飯は多めだが頭は少なめに使う上司、「人を信用するな」という座右の銘をもっているがゆえに人から信用されていない上司、しじゅう眉間に皺を寄せているがじつは場あたり的な上司、都合が悪くなると突発性健忘症を患う上司、陽気なばかりで根気のない上司、判断が不適切でムダな仕事ばかり思いつく上司、「蒸し返しの鈴木(仮名)」と異名をとる上司、思いつきを思いつきで処理する上司、粗野で淫猥《いんわい》な上司、小心のうえにくどくてしつこい上司、卑劣で狷介《けんかい》な上司など、さまざまなタイプがいる。……地位は人をつくるというより、むしろ人間を卑しくするのであろうか。上司というのは、じつに九割方がうっとうしい存在である。
 けれど、どのタイプの上司についたにせよ、部下としてやってはならないことがある。以下に、「べからず集」としてまとめておく。
一、直属の上司をとび越えて、気やすく上層部に接触するべからず。どうしてもというときは知恵を絞り、巧みな方法で、ひとりでやるべし。
二、会社の悪口を上司から聞きだそうとしてはいけない。また、上司が経営者について不平を洩らしても安易に同調してはいけない。
三、内容の吟味もせずに、説明ベタ、討議ベタというだけで上司の能力を判断してはいけない。英雄気どりの舌のなめらかさで上司を嘲笑うなど、軽薄な人間がやることである。
四、上司のまえでは忙しがるな、億劫がるな、大言壮語するな、利口ぶるな。とくに酒の席では利口ぶるな(嵐山光三郎氏によれば、サラリーマンにとっての酒場は「道場」であり「赤いネオンの取調室」である)。
五、言い逃れや責任転嫁をするな。つまり卑怯なことをするな。
 上司に対してやるべきは次のことである。
一、はやくこういう人になりたいというキャリアターゲットを見つけ、お手本にすべし(肩書きを目標にするのではない。職業的人間としての目標を見つけるのだ)。
二、やったこともない仕事を頼まれたとき、やれない理由を探そうとするな。「どうしたらうまくやれるか」をまず考えてみよ。
三、ケンカをするときは、自分の立場が徹底的に弱いことを強く思い知ったうえでやれ。
四、苦手な上司ほど明朗に挨拶をせよ(挨拶だけでよい。酒を誘われたら断われ)。
 右のこと、これぞと思ったものだけ拳々服膺《けんけんふくよう》されたし。
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