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鬼平犯科帳の人生論70

时间: 2019-07-30    进入日语论坛
核心提示:● 責任回避のための会議はやるな[#ここから5字下げ]「われら火付盗賊改方は、無宿無頼《むしゆくぶらい》の輩《やから》を
(单词翻译:双击或拖选)
 ● 責任回避のための会議はやるな
 
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「われら火付盗賊改方は、無宿無頼《むしゆくぶらい》の輩《やから》を相手に、めんどうな手つづきなしで刑事にはたらく荒々しき御役目。いわば軍政の名残りをとどめおるが特徴でござる。ゆえに、そのたてまえをもって此度《このたび》の事件《こと》も処理いたした。もしも、それがいかぬと申さるるなら……」
 火付盗賊改メを廃止したらよろしい、といい張り、上司たちの圧力に|びく《ヽヽ》ともしなかった。
[#ここで字下げ終わり]
[#地付き]「妖盗葵小僧《ようとうあおいこぞう》」
 
 日米の会社を比較してみると、際立った二つの相違点があることに気がつく。
 ひとつには、日本の会社は「まるごと満足主義」で、社員も取引先も顧客もみんな一様に満足させようとするのに対して、アメリカの会社は「株主優先」で、投下資本の利益率を拡大し、株価を上げてとにかく株主を喜ばせようとする。優先事項の順番がひじょうに明確なのである。
 いまひとつは、会社の意思や方針を決定する役員会のあり方である。
 アメリカの場合は役員が少なく(大会社でも十人程度というのはザラ)、社外役員が過半数を占め、また決定すべき事柄がはっきりとしており迅速である。とうぜん議論は、単刀直入、丁々発止、侃々諤々《かんかんがくがく》となされる。
 いっぽう日本の場合はというと、社長、副社長、専務、常務、本部長など、役員会に出席する人数は多く、重要な議案にはたっぷりと時間をかけるのが常である。
 ゆえに、意見をだし合い、とことん、じっくり、もたもたと話し合うことは、疑いのない�良心的かつ民主的な�態度である。
 そこには、かつて山本七平が指摘したように、全体の雰囲気を象徴するかのような「空気」が立ちこめるのを待つといった風情が漂う。
 だが、これには二つの大きな落とし穴がある。
 ひとつは責任者が大勢いることで、当事者たちが責任者としての自覚をなくしてしまうということだ。
 それが証拠に、二十人あつまって会議を開いても二十人ぶんの知恵がでることはない(二十人ぶんの時間は失われているわけだが)。過半数は他人まかせなのである。
 もうひとつは、会議の時間が長くなればなるほど、言い訳や言い逃れがしやすくなるということだ。
 悲惨ともいえる結果を招いてしまった場合は、「あれだけ時間をかけて知恵をだし合ったのだから」と互いを慰め合うことができるというわけである。
 だとしたら、「良心的で民主的な」会議は、たんなる「責任回避のための場」でしかなくなる。そういう陥穽《かんせい》が日本型会議には潜んでいる。
「会議とは、ひとりでは何もできないが、おおぜい集まれば何もできないということを決定できる重要人物たちの集まり」と皮肉ったのはフレッド・アレン(アメリカのユーモリスト)だが、この言葉は日本のあちらこちらの会議にあてはまるのではないか。
 はっきりいってしまえば、会議とは誰が責任を負うのかを決定する場である。このことを多くの日本人は忘れてしまっている。
 いまの時代にあれば、平蔵の�独断的な�処置は多くの非難を浴びるであろうが、優先順位と責任の所在を明確にしているという点において、すぐれて「英断的」であるとまずいうべきである。
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