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ミッドウェー戦記02

时间: 2019-07-30    进入日语论坛
核心提示:一 空母四隻を中心とする日本海軍の機動部隊は、六月三日(日本時間)朝、ミッドウェーの北西六百マイル(千百十キロ=海の一マ
(单词翻译:双击或拖选)
 一
 
 空母四隻を中心とする日本海軍の機動部隊は、六月三日(日本時間)朝、ミッドウェーの北西六百マイル(千百十キロ=海の一マイルは一・八五キロ)の地点に達していた。
 六月五日が攻撃予定日であるから、そろそろ南東に向けて変針する頃である。艦隊は早朝から、濃い霧に包まれていた。
 ジョン・フォードが、ミッドウェーの砂地で、カメラの取り附け、テストを行っていた頃、機動部隊の旗艦赤城のガンルーム(士官次室=青年士官のサロン)で、ハーモニカの手入れをしている若い士官があった。色が浅黒く、鬚の濃い男で、ケプガン(ガンルームの長)である芝山末男中尉(海兵六十八期、筆者の同期生)であった。みかけによらず、東京生まれの彼は音楽や映画にくわしく、兵学校生徒のなかでは、よくいえば文化的、早くいえば軟派に属した。
 ハーモニカの手入れをしている芝山のかたわらに、水無月《みなづき》島郵便局長の小高助正が近づいて、
「甲板士官、一曲聞かせてくれんですか」
 と、笑い顔をみせた。
 芝山は甲板士官で、平時は、副長に直属して、艦内の軍紀風紀の取締り、整備整頓を駐視することが職務であった。戦闘時は、中部応急指揮官として、副長、運用長の指令のもとに、応急(防火、防水、被害局限)という重要な任務を帯びることになっていた。
 小高郵便局長は、軍人ではなく、内地の三等郵便局長であった。ミッドウェーは、日本軍の占領後、水無月島と名前を変える予定であった。ミッドウェーを日本軍が占領することは、日本軍の間でも、関係ある民間人の間でも“既定”の事実になっていた。それは、アメリカ海軍の一部でも、そのように信じられつつあった。ニミッツの司令部と、米機動部隊の乗員を除いては……。
 小高郵便局長は、かたわらで休息している艦攻(艦上攻撃機=魚雷攻撃または、水平爆撃を主体とする)操縦員の後藤仁一大尉(海兵六十六期)に向かって言った。
「ねえ、飛行士。なぜ、真珠湾をば占領せんのでしょうかねえ。こげんミッドウェーのような、こまかい島をば、とるより、その方が早決まりでしょうがね」
「さあ、ミッドウェーは、えさで、これで敵の主力艦隊を釣り出して叩いた後、真珠湾上陸となるのかな。作戦のことはわからん」
 後藤はものうげに答えた。真珠湾、印度洋と勝つ戦ばかりやって来たので、戦闘の見通しについて説明するのは、わずらわしかった。
 芝山がハーモニカをかかえこむようにして大きくベースを入れながら、デザートキャラバンを吹き始めたとき、郵便局長が言った。
「島へ上がると、忙しくなりますな。艦隊が内地を出るとき、次の手紙の宛先はどこか、と訊《き》かれて、ミッドウェーじゃ、いや、水無月島に送ってくれ、と言っていた兵隊も多かったと言いますからな。占領と同時に、どかんと、祝電や、慰問袋が届くことでしょうが……」
 二、三曲吹くと、芝山はハーモニカをしまって、立ち上がった。軽い不安と、不吉な期待が彼の胸の奥にあった。
 赤城のガンルームは、第一中甲板左舷で、艦橋のすぐ前にあった。その前には士官室、機関科事務室があり、うしろには士官バス(浴室)、医務室、病室などがあり、そのうしろは、下段格納庫になっている。
 赤城の格納庫は三段になっており、ガンルームのすぐ上が中段格納庫、その上が上段格納庫、さらにその上は、飛行甲板になっていた。芝山は、下方に向かって、ラッタル(梯子《はしご》)を降りた。三万五千トンの赤城は、元来高速戦艦として設計された艦で、第一中甲板の下が、四十ミリの厚い装甲鈑《ばん》になっていた。これが戦艦の防禦甲板に当たるわけである。
 運用長、土橋豪実中佐の発案で、赤城の応急担当の幹部は、内地を出港するとき、艦底に近いマンホールを全部点検し、ついでに、艦底のビルジ(水あか)の深さも計測した。四十ミリの装甲鈑があるので、敵の爆弾も、これの貫徹は困難であろう。しからば、もっとも警戒を要するのは、側面からの魚雷の被害である。それには、マンホールや、防水扉の閉鎖を厳重にして、被弾時の浸水を最小限度に止めなければならない。そう考えて、運用長は、応急担当の芝山らをひきいてうすぐらい艦底を回ったのであった。
 今、芝山は、予想される合戦を前にして、小さな不安を感じていた。赤城に命中するのは敵の魚雷だろうか。飛行甲板や、格納庫の防禦は考えなくてもよいのだろうか。そして、彼は一つの想いを秘めていた。本艦に乗り組んでいる六十八期生は、彼一人である。六十五期の根岸大尉や、六十六期の後藤大尉は、パイロットであるから、またも武勲を立てるわけであるが、中部応急指揮官としては、敵弾が命中しなければ、腕のふるいようがない。しかし、赤城に敵弾が何発も当たって、おれが忙しいようでは、戦局が思いやられる。若い芝山中尉は、一つのジレンマに陥りながら、再びラッタルを登り始めていた。
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