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ミッドウェー戦記12

时间: 2019-07-30    进入日语论坛
核心提示:十一 レフトン・ヘンダーソンが、ドーントレスの編隊をひきいて、イースタン島の滑走路を離陸したのは、赤城の艦攻が滑走路を破
(单词翻译:双击或拖选)
十一
 
 レフトン・ヘンダーソンが、ドーントレスの編隊をひきいて、イースタン島の滑走路を離陸したのは、赤城の艦攻が滑走路を破壊する直前であった。
 そして、午前四時は、スプルアンスの第十六機動部隊が、攻撃隊を発艦させる時間に当たっていた。
 スプルアンスは、思い切った計画を実行した。自隊の全機を一度に、ナグモの攻撃に投入しようと考えたのである。午前二時半、アディ大尉のカタリナ哨戒艇の報告によれば、JAPの空母は二隻となっている。しかし、ニミッツの情報によれば、ナグモの空母は四隻である。スプルアンスは、他の二隻も、発見出来る、と賭けた。そして、未だに、ナグモは、われわれを発見していないと……。
 午前四時より、エンタープライズからマクラスキーのドーントレス三十三機、リンゼーのデバステーター雷撃機十五、ジム・グレイ大尉のF4F戦闘機十、そして、ホーネットからは、ドーントレス三十五、ウォルドロン少佐の雷撃機十五、戦闘機十、計百十八機が発艦した。もし驚くとすれば、この二艦の攻撃隊が、友永の第一次攻撃隊より数において、十機もまさっているという点であろう。
 ジョン・ウォルドロンは、発艦する前、第八雷撃中隊の部下を、ホーネットの飛行甲板に集合させると、
「四月十七日を知っているか」
 と言った。
「四月十七日、この飛行甲板からノースアメリカンが、トキオ(東京)を空襲に飛び立った。今度は、おれたちが、ナグモの空母をやっつける番だ。攻撃がうまく行きますように……」
 と続けた後、珍しく彼は、神に祈りを捧げた。
「隊長が祈るとは珍しい」
 若いジョージ・ゲイ少尉がそういうと、
「アパッチにも、必要な時には神がいるのだ。みな、おれについて来い。腕白小僧(魚雷)を、アカギのどてっ腹に喰いこませてやるぞ」
 そういうと、彼は腰の山刀を抜き、白く光る刃にキスをして、アパッチ流の戦いの誓いをした後、解散を命じ、乗機に走り寄った。
 一方、気むずかし屋の、ウェイド・マクラスキーは、エンタープライズを発艦した後、高度をとりながら、眉をよせて列機の集合を待っていた。なぜか、戦闘機と雷撃機は発艦しなかった。
 そのとき、エンタープライズの艦橋では混乱が起きていた。
「水上機一機、南方上空、JAPらしい」
 と見張りが叫んだ。
「発見されたか!」
 スプルアンスは呻いた。やはり、二時半に日本の空母を発見した直後に、無理をしても発艦、攻撃してしまった方がよかったのかも知れぬ。さて、ここで、予定通り、全飛行部隊を攻撃につぎこんだものかどうか、彼は迷った。(このとき、利根四号機は、北東の海面に米艦隊を発見し、「敵ラシキモノ見ユ……」という有名な無電を打ちつつあった。時に午前四時二十八分であった)
 ハルゼーの参謀長であったブロウニング大佐は言った。
「スプルアンス。気分を悪くするかも知れんが、オールド・モンキー(ハルゼーのこと)なら、全力で突撃すると思うがね」
 スプルアンスも意を決して、残余のジム・グレイの第六戦闘機中隊と、ゲン・リンゼーの第六雷撃中隊の発艦を命じた。
 エンタープライズの艦爆隊長、マクラスキーは、三十三機のドーントレスをひきいると、どんどん高度をあげ、ミッドウェーの北東二百マイルの位置に急行した。第十六機動部隊の戦闘要領によれば、急降下爆撃機は高空から、雷撃機は低空から協同攻撃をとることになっている。戦闘機はその間にあって、両方を掩護するというムシのよい計画になっていた。十機の戦闘機が、高度四千メートルから突っ込む三十三機のダイブ・ボンバー(急降下爆撃機)と、五百メートルで海面を這うトッピードー・ボンバー(雷撃機)の双方を同時に掩護するということは、神業に近かった。
 エンタープライズの戦闘機と、雷撃機が発艦を終わったのは、午前五時六分で、マクラスキーの爆撃隊より約一時間遅れていた。
 その頃、つまり、午前五時ごろ、レフトン・ヘンダーソンは、高度三千の位置から日本の機動部隊がミッドウェーに向かっているのを発見した。くわしく言えば、四隻の空母は思い思いに変針していた。すでにミッドウェー基地を発進した六機のTBFアベンジャーと、四機のB26マーチンマローダーが、空母群に対して、雷撃を行っているところであった。
 ——今だ! とヘンダーソンは思った。今なら、技倆の未熟な、飛行機に慣れていない部下でも何とか突っ込めるだろう。
 彼は、右掌を上げ、振りおろすと、突撃を下命した。十六機のSBDドーントレスは、エレガントな緩降下爆撃に移った。彼らの下を走っているのは、精悍な中型空母飛竜であった。飛竜の艦橋では、二千五百の低高度から、三十度位の降角でゆるやかに降下して来る米機の大群を発見した。
「敵艦攻、十機以上、右前上方!」
 見張りがそう叫んだ。
 降角が浅いので、雷撃機だと思ったのである。
「また、雷撃か……」
 操艦にあぶらの乗った感じの加来艦長はそう呟いた。
 そのとき、直衛のため上空にいた蒼竜零戦隊の藤田怡与蔵大尉は、緩降下するSBD隊を発見していた。
 ——まず、隊長機を——。
 藤田は、先頭を降下するドーントレスの後上方に占位した。
「敵機です、うしろ! 隊長!」
 偵察員がそう叫んだが、ヘンダーソンはかまわず、降下を続けた。彼が回避すると、他の機の歩調も乱れることが虞《おそ》れられた。ヘンダーソンは、このとき、多分、“死神”にとりつかれていたと考えることが出来る。
 藤田の零戦のOPL照準器の十文字の交差点が、ヘンダーソン機の風防に指向されていた。藤田の右拇指が、スティック(操縦)の上端についているノッブを右に倒した。両翼の二十ミリ機銃が発射され、ヘンダーソン機の翼に吸い込まれた。機の左翼が直ちに火を発した。火焔が拡がり、ヘンダーソン機は操縦不能に陥った。ヘンダーソンは、背中にも弾丸を受けていた。彼は、呻くように、
「とびおりろ! おれは喰った」
 と後席のキャフタ曹長に命令した。曹長はパラシュートでとび出した。ヘンダーソンは真っ直ぐ、下の空母目がけて降下した。
 飛竜の艦橋でこれを見ていた航空参謀の橋口は、
「一機突っ込んで来ます!」
 と叫んだ。
「面舵!」
 加来が転舵を令した。飛竜はあやうく、この無鉄砲なSBDをかわした。
「ヤンキーも勇敢だね」
 双眼鏡で、飛行機の突入した海面の波紋を見ていた山口司令官が呟くように言った。
 レフトン・ヘンダーソンの名は、後にアメリカ海兵隊がソロモンのガダルカナル島を占領したとき、最初に日本軍から奪取したルンガの飛行場に命名された。そして、アメリカ海兵隊の間では、今もその名は不滅である。
 ヘンダーソンの爆撃隊は、十六機のうち八機がイースタン島に帰還出来たが、そのうち六機は修理不能で、廃機となった。
 
 友永のひきいる第一次攻撃隊は、帰投の途中、グラマンの追撃を受けた。二小隊一番機の菊地大尉は、集中攻撃を受けて、エンジンから白煙をふきあげ、降下して行った。偵察員も電信員も被弾し、菊地は掌をあげて合図した後、海面に降下して行った。
 友永機の偵察席にも一弾がとび込んで来た。カンカラカンと音がして、橋本は左脇腹に焼けた金火箸をあてられたような気がした。左手で探ってみると、飛行服と下の軍服が半月状に裂けていた。腹の皮が焼けてひりひりしていた。あとで、みみずばれが残るだろう、と橋本は考えた。
「飛行士、テキさんのタマが一個とびこんで来ました」福田が電信機の下から、飛行手袋の上に十三ミリ弾をのっけてさし出した。さわってみると、まだ熱かった。
「そちらはどうだ?」
「大丈夫ですが、受信機をやられました」
「うむ、もういいだろう」
 橋本は、掌の上で、銃弾をころがしてみた。銃弾の先端を、コツコツと額に当ててみた。こいつが垂直にここに当たれば、おしまいなんだ。弾丸の感触は、鈍く、不気味であった。彼は、怖くもあり、また、人間なんてそれだけのものかと思うと、気抜けしたようで、少しおかしくもあった。
 菊地の機は、海面に向かって降下しつつあった。重松の零戦がその近くを回ると、手旗で、「カエレカエレ」と信号した。重松はあきらめて上昇する途中、下を見ていると、菊地機が海面に落下した飛沫が白く見えた。魚がはねたときの水しぶきに似ていた。
 足首をやられた角野は、たくさん呑んだ航空錠甲が効いてきたのか、頭が少しはっきりし始めた。彼はなるべく郷里の肉親や、母艦で待っている人々の顔を思い浮かべ、生への欲求を強めようと試みた。彼の努力に反して、そうした人々の顔は一向に脳裡に浮かんで来なかった。彼の前にぼんやりとかすんで見えるのは、依然として、白いアイスクリームのような断雲や、ラマ塔のような入道雲や、そしてその向こうにある、黒く重い、だるそうな垂れ幕ばかりであった。
 ミッドウェー陸上攻撃隊の被害は九機であり、そのうち、友永隊の被害は、菊地を入れて、四機を数えた。そして、いま一機、その被害のなかに入りそうな角野の機を引っ張りながら、友永隊は、母艦の位置に急いだ。
 五時をすぎた頃、水平線に母艦が見え始めた。
「隊長、母艦が見えて来ました」
「おうい、燃料が少し足らないようだ。電信機を捨てろ!」
「はい」
 福田が電信機をはずして外に投げ落とした。海面に飛沫があがった。
「機銃も、照準器も捨てろ」
 白い飛沫が二つ上がった。
 橋本は、航法の図板や、オルジス発光信号灯も海に投げた。福田は、いよいよ足りなければ、自分が飛び降りるつもりで身構えていた。このあたりなら、外周の駆逐艦から三十マイルもないので、助けられる可能性があった。五時半、攻撃隊は、母艦上空に帰投した。友永はバンクを振って、一航戦の艦爆隊と、蒼竜の艦攻隊に解散を命じた。エンジンがばたばたと息をつき始めた。高度を三百まで下げると、一度、飛竜の上空を通過し、自分の隊を解散し、左に大きく旋回した。また、エンジンが息をついた。燃料タンクが横になると、パイプの吸い込みが悪くなり、スターブ(燃料不足)するのであった。そのとき、橋本は、飛竜の周囲に巨大な水柱が十本以上たつのを見た(ヘンダーソン隊の爆撃であった)。飛竜はその水柱に蔽われて見えなくなった。
「隊長! 母艦が……」
 そう叫んだ次の瞬間、水柱が吸いこまれるように海面に消えて、その中から、まっしぐらに走っている巨大なわらじ《ヽヽヽ》のような飛竜の姿が現われた。
 内村の機は、高角砲弾のためフラップを故障し、着艦が困難なので、駆逐艦の近くに着水し、救助された。
 友永はいよいよ母艦の艦尾から着艦コースに入った。橋本は後席で、米軍機の襲撃の様子を見ていた。あまり練度が向上しているとは思えなかった。後席の電信員が、飛竜に肉薄する雷撃機を射撃したが、命中したかどうかはわからなかった。アメリカ雷撃隊の直掩戦闘機はほとんど見えなかった。零戦との交戦に忙しいのであろう。零戦は、雷撃機のうしろにぴたりとついては、正確なアイスキャンデーを送っていた。
 日本側の直衛戦闘機で、もっとも多くの米軍機を撃墜したのは、蒼竜の藤田怡与蔵大尉だということになっている。彼はこの海戦で十機以上を撃墜した。しかし、加賀の志賀淑雄大尉、飛竜の森茂大尉の零戦隊も、それに劣らず活躍し、それぞれ二十機以上を共同撃墜している。森大尉は、この後の攻撃で戦死したが、志賀大尉は健在で、後に筆者が飛鷹《ひよう》乗組になったときの戦闘機隊長であった。ミッドウェーの空戦の話になると、いつも微笑し、「空戦なんてものじゃないよ。訓練通り、敵の雷撃機の後上方について、引き金を押すと、たちまち火をふいて落ちてゆくんだ。実によくいうことをきく子供みたいなもので、かわいい《ヽヽヽヽ》という感じだったな。グラマン戦闘機も来たが、大したことはなかった。しかし、母艦が雷撃を喰ってはいかん、というので、もっぱら雷撃機を落としていたね。数は覚えていないが、片っぱしから喰っていったもんだよ」と述懐するのが常であった。
 友永機が、駆逐艦の上を通って、母艦まであと百メートルほどに接近したとき、飛竜は、大きく、艦尾を右に振った。友永はスロットルを押し、はげしくエンジンをふかした。エンジンがまた、ばたばたと息をついた。機は艦橋すれすれにとび越えた。母艦は魚雷を回避したのであった。友永は、一時、上空で列機を集めて、敵機の去るのを待つことにした。母艦は、あたりに立ちこめる水柱のなかを、何度も激しく、左右に転舵を繰り返しながら、高速力で、北東を目ざしていた。
 
 
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