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ミッドウェー戦記13

时间: 2019-07-30    进入日语论坛
核心提示:十二 赤城の艦橋は今や混沌《こんとん》としていた。 友永機から、「第二次攻撃の要ありと認む」という電報が入ったとき、まだ
(单词翻译:双击或拖选)
 十二
 
 赤城の艦橋は今や混沌《こんとん》としていた。
 友永機から、「第二次攻撃の要ありと認む」という電報が入ったとき、まだ、敵空母の位置はわかっていなかった。草鹿は、源田と相談して、いま一度、基地を叩くことにした。
「長官、もう一回、基地をやります」
 南雲は、少し考えた後、
「よかろ」
 と言った。
 赤城の信号は、その旨を各艦に伝えた。
 しばらくなりをひそめていた格納庫は、再び喧噪《けんそう》になった。雷装を爆装に変えるのである。
 この頃、イースタン島から飛来したTBFアベンジャー雷撃機に続いて、B26マーチンマローダーの雷撃が始まっていた。
 南雲長官は、何を思ったのか、自分で直接操艦の指揮をとって、魚雷の回避を始めた。航空攻撃には、用はないと考えたのであろうか。この操艦は見事であった。操舵室に向かって、転舵を下令する南雲の姿をみて、草鹿は、——自分が水雷戦隊で二十年も魚雷を射つ訓練をして来たんだ。魚雷なんて自分の子供のようなもんだろう、回避がうまいのは当たり前じゃないか——と考えていた。
 その頃、飛行甲板では、福田中尉が、直衛戦闘機の発艦の指示をするのに忙しかった。上空では、B17の高々度爆撃が始まっていた。
 その少し前、搭乗員待機室でねころんでいた後藤大尉は、対空戦闘のラッパに夢を破られて、発着指揮所に急いだ。村田少佐が双眼鏡で輪型陣の方を見ていた。駆逐艦が煙幕を展張しながら、対空砲の火煙を打ち上げていた。
 艦攻分隊長の布留川《ふるかわ》大尉と根岸大尉が上がって来た。根岸は一メートル八〇以上の長身を、だるそうにゆすりながら、ラッタルを登って来た。時刻は四時少し前であった。
 海上では、赤城の指宿《いぶすき》、飛竜の森、蒼竜の藤田などが、敵機の迎撃に忙しかった。アベンジャー隊がほとんど全滅した後、B26マーチンマローダーの隊がやって来た。マローダーということばは、掠奪者という意味を持っていた。藤田怡与蔵は、B26の先頭機にとりついたが、この双発機は意外に速力が早いので、目標を二番機に変えた。このため、隊長機は無事に魚雷を発射して離脱したが、二番機が、藤田の照準器のなかに捉えられた。B26は低空で赤城に肉薄し、赤城の二十五ミリ機銃からの発射弾は、藤田機をもかすめた。
 ——あぶねえなあ、味方のタマの方が——口のなかでそう呟きながら、藤田は引き金を引いた。二十ミリ弾は、B26の機銃射手を一人倒したほか、燃料タンク、プロペラ、無電機、着陸装置を破壊し、主翼に無数の穴をあけ、さらに、機銃員二名を倒した。機内は弾痕から風が吹きこみ、血のしぶきが舞った。二番機は、魚雷を発射すると、赤城の甲板を飛び越え、その時、最後の機銃員が十三ミリを乱射した。魚雷は当たらなかったが、赤城は、このため、三番高角砲員二名重傷、同砲は一時、旋回不能に陥った。
 藤田はさらに後方のB26にとりついた。最後尾の四番機である。後部のガラス張りの銃座から盛んに撃って来たが、かまわずに、接近して、射撃すると、左翼タンクから火を吐いた。海面すれすれに反転しながら見ていると、右に垂直に近く傾き、急旋回し、右翼端を海面に接触させると、その点を軸として、黒い腹をみせながら、転倒した。腹に太い魚雷を抱いていた。機は、突然、水煙と青白い泡に変わり、何も残らなかった。藤田は、ふと、今、機尾のガラス玉から自分を射撃していた射手の眼を思い浮かべた。飛行眼鏡をかけており、風防のなかに入っているので、眼玉が見えるわけはなかったが、はっきり見たような、印象が残っていた。——あの青い眼玉が、この白い飛沫に変わってしまったのだ——彼は空虚なものを感じた。撃墜の喜びよりも、背中のあたりに真空が生じたような感じが強かった。彼はすぐに旋回して上昇した。
 さらに九機のB26が魚雷を抱いて襲って来た。南雲の操艦で赤城がうまくかわした魚雷が三本、飛竜の方に向かって行った。四千メートルはなれていたので、飛竜の艦橋では、そのような浮浪者のような当たりぞこないの魚雷には注意していなかった。藤田は、魚雷を追うと、バンクを繰り返してそれを飛竜に知らせた。艦橋にいた山口司令官がそれを見とがめた。飛行機の経験の長い山口には、その零戦の動きが、ただ事とは思われなかった。
「艦長、あの零戦を見ろ!」
 言われた加来は、三本の魚雷が正しく飛竜の艦橋の下めがけて右側から航走して来るのを発見した。彼は眉を上げると、
「面舵一杯!」
 を令した。飛竜は大きく右に転舵し、魚雷は、飛竜の艦首を左にかわり、気泡を残して後方に消えた。
「いろいろなのが来るね」
 山口は、あごをつまんでいた。
 加来は、難しい顔で三本の雷跡を見おくり、前方に視線を転じた。さらに六機のB26マローダーが左舷からこちらに向かっていた。
 今度は、「取舵一杯!」であった。
 赤城の発着指揮所では、パイロットたちが双眼鏡でその様子を見物していた。
「どうですか、敵の技倆は?」
 後藤が村田に訊いた。
「経験不足だな。五十点やれんな。B26は陸上機じゃから、雷撃の射点というものを知らん」
 雷撃の神様、といわれる村田はそう答えた。
 そこへ、総隊長の淵田が上がって来た。
「どうですか、隊長、盲腸の傷は……」
「いや、心配で寝とれんよ。敵の母艦の様子がわからんのでね……」
 そのとき、赤城の後部から蒼竜の方にかけて、十メートル以上の水柱が数本立ち上った。
「水平爆撃だ」
 淵田の声に、皆はいっせいに空を仰いだ。三千メートルくらいに断雲があり、その上方、高度六千メートルくらいに、うすい刷毛《はけ》ではいたような高層雲が出ていた。その淡い雲を背景にして、二十機近くのB17四発爆撃機が、悠々と南に飛んでいた。葉巻のように見える胴体が、陽光を浴びて白銀色に光っていた。高角砲弾がぷかり、ぷかりと白い煙をあげたが、届きそうになかった。
「ううむ、あの高度じゃ、敵も味方も当たりそうにないな」
 村田が唸るように言った。
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