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ルンルンを買っておうちに帰ろう29

时间: 2019-07-30    进入日语论坛
核心提示:酒豪を名のるからにはアル中になれ 私がこの世で信じられないもののひとつに、若い女の極度の酒好きというのがある。「毎晩青山
(单词翻译:双击或拖选)
 酒豪を名のるからにはアル中になれ
 
 私がこの世で信じられないもののひとつに、若い女の極度の酒好きというのがある。
「毎晩青山の○○でカクテルをひっかけないと眠れないの」
 とか、
「もー、毎晩酒びたりよぉー。ゆうべも女ふたりでボトルあけちゃってぇー」
 とかなんとか女がいうと、すぐさまかたわらにいる男たちが、
「おっ、今度いっしょに行こうよ」
 なんてすぐさま反応するのもこ憎らしい。
 私の推理ですが、女というのはそんなに酒が好きじゃありませんね。中には本当の酒好きというのもいるかもしれませんが、大半は男と飲む酒が好きなのであります。
 その証拠に、女友だちのところへ行って、すぐお酒出してくれたことないもん。たいていコーヒーか紅茶。冷蔵庫の中にはビールが入っているのが見えたけど、あれは男の客用にとってあるらしい。
 ビールやウイスキーの空びんがごろごろころがっていて、ひとりラッパ飲みするぐらいだったら尊敬しちゃうんだけどな。
 しゃれたスナックやパブで、男の視線を意識しながら、退屈そうに煙草《たばこ》をふかしながら飲む酒が好き、というのが本音でしょうに。
 ところで酒について私はよく誤解される。私のたくましい体つきを見て、たいていの人は、
「お酒、相当強いでしょう」
 と聞くのであるが、これは完全な脂肪ぶとり、酒ぶとりじゃないんだからね。
「ウイスキーをビールみたいに飲む」
 とよく感心されるけれど、なにこれはたんに意地がいやしいだけ。お酒を飲む時、私はお皿が五つ六つ並んでなきゃ気がすまない性格なのだ。なんか料理をつまむ水がわりに酒を飲むような調子。それも鶏のカラ揚げとか、フライドポテトとか、カロリーが高くてのどが渇くようなものばかりが好きだから、必然的にじゃぶじゃぶ飲むことになってしまうのね。
 まあ、男とふたりでしんみりとお酒を飲もうというチャンスがあるとしますね。そういう時も、私はお腹いっぱいなにかを食べずにはいられない。
 舌なめずりしながらメニューを開いて、
「アサリのワイン蒸しに、スペア・リブ、そうそう、それにシェフ・サラダね」
 口じゅう油だらけにしながら、豚のあばら骨をしゃぶる私に向かって、男の冷たいひと言。
「キミって本当によく食べるね」
 もしかしたら、お酒を飲んだあと、夜の公園散歩とか、ラブホテル探訪とか、楽しいコースがいろいろと用意されていたのかもしれない。けれども豚のあばら骨のために、いつも私はチャンスを逃してしまうのだ。
 けれどもよく食べるためにいいことがひとつある。それは悪酔いしないことだ。
 まあ、どっかの男のヒトが私を酔いつぶして悪いことをしようと考えたとしますね。でもそれは不可能に近い。まず私の食いっぷりに興ざめし、何杯でもガブガブ飲む姿を見てこれはだめだとあきらめるに違いない。本人に直接確かめたことはないけれど、多くの人たちがこうして、私へのアタックをあきらめたに相違ない(と思いたい)。
 学生時代、男の子にこういわれたことがある。
「キミの飲み方は可愛くないよ。フツウの女の子って飲んだあと、『あら、酔っちゃったわ、どうしよう』っていうだろ。あれ聞いてどうかしようとか男は思うけれども、キミみたいにガバッと飲んで『ごちそーさん、割り勘でいくら?』とかいわれたら、男は立つ瀬ないぜ」
 この言葉は長い間非常に深く心に残った。
 それに年増になるにつれ、私にも野心つうものも生まれてくる。期待感をもって男と酒を飲むということもわかってくる。
 そんな日は、おつまみもナッツぐらいにして、水割をチビチビ飲むのよね。するとそうした方が、いつものようにいっぱい食って、いっぱい飲むより酔ってくるから不思議である。
 私はぽーっと上気し、ほんのり色っぽくピンクになって(いたと思う)、いった。
「アラ、アタシ、酔ッチャッタミタイ、ドーシヨー」
 すると男は心配そうにいった。
「タクシー代ぐらいもってるだろ」
 まあ私とお酒のかかわりというのはこんなもんです。お酒が私の場合、男との小道具として使えないとわかってから、私はあんまり飲まなくなった。それに私のように弱い立場のモンだと、私の方が払わなきゃならない場合が多いのよね。まあ、おごりとなるとイソイソと出かけますが。
 そんなわけで私は、お酒が好きとか、いけるクチとかいうのでは全くない。ただ最初にいったように、お酒がどーのこーのと、声高に話す女たちを見ると、むしょうに腹が立つのである。
 私と違って、彼女たちはお酒によってなにかいいことがあったに違いない、とムラムラと嫉妬心が先に立つ。ちょっと気のきいた店の名前を出して、
「あそこの店長とは友だちだから」
 なんていうのを聞くと、なにかをぶっつけてやりたくなってくる。
 あーゆう店の店長って、女の好みがすごくはっきりしていて、美人とか可愛い子、または小有名人(マスコミなんかにときどき出るスタイリスト)なんかをすごく大切にすんのよね。私の美人の友人なんか、いついっても勘定をとってくれなくて困るワとかいってコボしていた。私なんかあれだけ食べるんだからもっと優遇してくれてもいいと思うんだけれども、店の華にならないコは、わりとジャケンにされるんだ。ホント。
 ひがみにとられてもいいけれど、私は�常連�という言葉をほとんど憎んでいる。店と客とのなれあいの嫌らしさ、他の客よりよくしてもらおうというあつかましさ、得意さというのがよおくにじみでてると思いません?
 いまから四年ぐらいも前のことだ。私は小田急線の小さな駅前に住んでいた。歩いて五、六分のところに、五十がらみのママがひとりでやっている小さなバーがあった。ひょんなことからなじみ、ボトルを入れる、という行為を初めてしたのもこの店だ。十人も入れば超満員というこの小さな店は、ほとんどが地元の常連客で、みんな本当に仲がよかった。
 自分でいうのもナンだけど、若い女の子がいなかったせいもあって、じきに私はそこの店の人気者になっちゃった。そのころ私はコピーライターになったばかりで、会社ではチラシぐらいしかやったことはないのに、その小さなバーでは、いかにも第一線のコピーライターのごとくふるまっていた。それは他の常連客たちだって同じだったろう。
 私はほとんど毎日のようにその店へ通った。行かない日は、ママから電話がかかってきて、
「いま○○さんが来ていて、マリコさんがいないんで淋《さび》しがってるワ。すぐ来て」
 などいわれ、私はいそいそと出かけていったのである。
 その店に毎日行くのは、安月給の私にはかなりつらかった。けれどもその店では私は必要とされ、好かれていると思うのは心地よかった。
 その心地よさが自分への嫌悪感へと変わっていったのは、いったいいつ頃からだっただろうか。
 みんなこの店でお芝居をしている。
 有能な会社員のふり、華やかなキャリアウーマンのふり、なにより明るい性格のふり……。その嘘《うそ》をつく気恥ずかしさを消すために、人は酒を飲むのだ。ぼんやりと私はそう思った。
 さまざまな男たちが、酒についていろいろな物語を描く。
 人生にそれほど深くかかわることのない女たちが、酒についてどれほどのことがわかるのだろうか。またわかりかけたとしても、たいていの女たちが、私のようにその事実から目をそらすだろう。
 酒を飲む本当の意味を知ることは、不幸を知ることと同じなのだから。
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