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美女入門09

时间: 2019-07-30    进入日语论坛
核心提示:恋の醍醐味《だいごみ》は、別れ際にあり。 私はこのところとても忙しい。 いつも忙しいのであるが、この一ヶ月のハードなこと
(单词翻译:双击或拖选)
 恋の醍醐味《だいごみ》は、別れ際にあり。
 
 
 私はこのところとても忙しい。
 いつも忙しいのであるが、この一ヶ月のハードなことといったら、ちょっと普通ではなかった。私の書いた小説が映画化、テレビ化されるために、地方キャンペーン、各種パブリシティと走りまわっていたのである。おかげでオットはいい顔をしないし、原稿の|〆切《しめき》りもたまっていく。中でもいちばん感じ悪く催促するのがテツオである。
「アンタ……、今日、何曜日だと思ってるワケ。アンタのカレンダー、ちょっと狂ってんじゃないの」
 こう低い声で脅した後、ちょっと口調がやわらかくなった。
「あのさ、うちのお袋がさ、『ハヤシさん、本当にお忙しそうね。あなた、ご無理なことをお願いしてるんじゃないでしょうね』なんて言いやがんの」
 私はすっかり感動してしまった。テツオのママには一度だけお目にかかったことがあるが、さすがハンサムな息子を持つだけあって、美人で上品な方であった。あのママが私のことをそんなに心配してくれているとは……。
「そう、あんたのお母さまと私とは、すごくうまくいくはずだったのよ。すごく仲のいい嫁姑《よめしゆうとめ》になるはずだったのよ。それをひき裂いたのはあんたよッ」
 私は怒鳴って、こう最後に締める。
「あんたがさ、私にまるっきりそういう気持ちを持たないからよッ」
 ヒヒヒッと私のジョークに低く笑うテツオである。
 まあ、テツオとは長いこと�ジャストお友だち�であるから、こういう冗談も通じるのであるが、一般的に困ってしまうのが昔の恋人というやつですね。別に困らないか……。
 別れた彼と、どうしていろんなところで会ってしまうのだろうかと、みんな思っているわけであるが、少しも不思議ではない。なぜなら、未だに共通のお店とか友人というものが存在しているからである。
 以前は、そういう時すぐに�まわれ右�をしてみたり、ぎこちない挨拶《あいさつ》をかわした後、感傷にふけったりしたものであるが、今ではもうちょっと前向きになっている私である。
 かの渡辺淳一先生は、最近のエッセイでこう書いておられる。男女間に友情というのは、非常に育ちにくい。友だちのまま、男女間のおいしいところを味わおうとする女性が多いが、これはちょっと都合がよ過ぎるというものだ。本当の友情というのは、昔、肉体関係のあった男女に生まれる。もはや恋愛感情はないとしても、本当に相手を思いやる心は芽生えるものだ……といった趣旨だったと思う。
 そう、私も年増になってはじめてわかったのである。
「花は盛りのみ楽しむものではない」
 古典の時間習った、吉田兼好さんもこんなことをおっしゃっていたっけ。
 そう、お互い好き合っている時に、恋愛を楽しむなんて誰にでも出来ることです。じわじわと恋の醍醐味を味わえるのは、恋が終りかける頃であろうか。
 あっちの気持ちが醒《さ》めているのがはっきりとわかる。こちらも、もう以前ほどではない。が、気持ちを奮い立たせて、もう一回燃え上がったふりをする。
「絶対に捨てないでね」
 とか、普通だったらクサくて、絶対に口にしないような言葉をわざと使ってみる。もう演歌の気分、これがなかなかいいもんです。
 それから別れたら別れたで、ばったりと会う楽しみというのもある。相手は必ず女性連れだと想定した方がよいから、こっちも男性と一緒にいたい。その時恋人がいなくても、相手が出没しそうな店に入る時は、適当にみつくろう。こういう時、自分は前よりもずっと綺麗《きれい》でいなけりゃいけない。別れた彼に、惜しい、と思わせたい。こう思って、別れた直後、何ヶ月か女は頑張ることが多い。
 さて、別れた直後の男性もいいけれど、もっと深い味わいを持つのは、別れて数年、といったレアものである。私のような年増だと別れて十年なんていう年代ものも出てくるが、アンアン読者の年頃では無理であろう(何をイバってるんだ)。
 こういう場合はどちらも結婚していることがほとんどであるから、お互いの配偶者のことなんか何となく話題にはさむ。
「あの時は本気だった」
「オレも」
「どうして結婚出来なかったんだろ」
「どちらも我儘《わがまま》だったんだよ」
 なんていう会話も胸をときめかせる。
「本当にアンタって、M女だなあ……」
 と私の話を聞いていたテツオが、呆《あき》れた声をあげた。
「フツウ別れた男なんか追うか。美意識ってえもんはないのか、美意識は!」
 でも何もないよりは傷つく感じが好き。何もなくカラッと明るく過ごすより、男の人のことでジメッとしていたい。そのためにはたくさんの男の人が必要で、別れた男性にも総動員をかける。こういう風に屈折している欲張りの女に、私はなりたい。
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