日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

美女入門30

时间: 2019-07-30    进入日语论坛
核心提示:白Tシャツの罠《わな》 私は原宿の真ん中に住んでいるが、人混みは出来るだけ避けている。 土日の表参道には出ないようにして
(单词翻译:双击或拖选)
 白Tシャツの罠《わな》
 
 
 私は原宿の真ん中に住んでいるが、人混みは出来るだけ避けている。
 土日の表参道には出ないようにしているし、竹下通りなどももう何年も歩いたことがない。が、春休みとなると親戚《しんせき》のコたちが上京してくる。まあ、おばさんとしてはメイやハトコにスカートの一枚も買ってあげなければいけないわけだ。
 そんなもんで半日、買い物につき合わされることになった。行ったところはラフォーレである。ここの前は待ち合わせのメッカだ。以前私は、夕ごはんを食べようと夫とここで約束していた。ところがやってきた夫は、私を無視して通り過ぎようとするではないか。
「若いコに混じって、キミみたいな年の人がぼうーっと立っていてみっともない」
 とぷりぷりしている。確かにラフォーレへ入っていくのは、年齢制限があるかもしれない。が、今日は�付添い�という大義名分がある。日頃はちょっと行きづらいショップも、どれのぞきましょう。
 私はこう見えても、可愛いもん好きである。シノワズリをアレンジした、マーガレットの刺繍《ししゆう》のあるツインニットなんかいいなぁ、と思う。が、高校生のメイッコは完璧《かんぺき》にストリート系だから、そういう私をやや軽蔑《けいべつ》の目で見る。私はそのニットを諦《あきら》めた。ツインで四万円というのも気にくわない。
 不思議なもんで、ふだんブランド品が大好きな私も、ラフォーレの中を歩くと金銭感覚がしっかりしてくる。なぜならここのものはたいてい千円単位である。ちょっと高いものも一万円を越すぐらい。四万円、といったら、それこそ贅沢《ぜいたく》の極みであろう。
 それにしても、どの店も売っているものがどうして似ているんだろう。薄手のニットのキャミソールか、刺繍入りのオーガンジーワンピース。どうやらこの二つが、原宿ファッションの主流らしい。
 私は付き添ってお金を払うだけの身の上が、次第につまらなくなってきた。そんなわけで買い物に参加することにした。チェックすべきものは、白Tシャツかカットソーであろう。白Tシャツは夏の必需品というべきものであるが、いいものを探すとなると非常に困難である。
 私は白Tシャツにはすごいこだわりがあり、まず無地で上等な素材であること、インナーとして着るので、襟ぐりが詰まっておらず、ちょっと鎖骨が見えるぐらい、という条件があるのだ。この条件をかなえてくれるTシャツは、カルバン・クライン、ダナ・キャランといった大人のブランドで売っている。が、値段が高く一万円以上するのだ。ワンシーズン着尽くせば黄ばんでくるTシャツに一万円じゃ、やっぱり高過ぎるではないか。
 ひと夏だけのものと割り切って、Tシャツはうんと安いものを買おう。ラフォーレの中をくまなく探せば、白い無地のTシャツぐらいいくらでもあるだろう、と思ったのが間違いだったんですね。みんなプリントが入っている。それぞれデザインの凝った可愛いものだが、やっぱりねぇ……。
 が、私は一軒のショップでVネックのTシャツを見つけた。Vの開き具合も小さくて、なかなかいい感じ。それよりもとてもいい生地なのである。これで千三百円は安いわと、私はレジに向かった。ウインクしている若かりし日の浜美枝が表紙を飾る、レトロな手帳も買うことにした。
 ところが、レジの女の子は無表情にこう告げるではないか。
「一万六千円いただきます」
 いやーね、と私は笑った。
「間違えてるわよ。私が買ったのはこの二つだけですもの」
「あのー、Tシャツが一万三千円なんですけど」
 ひぇーっと青ざめる私。こんなものいらないと突っ返そうとしたのであるが、恥ずかしくて出来なかった。
 が、ラフォーレでどうして一万三千円のTシャツを売っているんだ。そんなものはザ・ギンザか日本橋高島屋で売れと、私の怒りはなかなかおさまらなかった。
 私はそのTシャツをうちに置き、来た人々に自分の不運を訴えた。が、編集者たちは口口にこう言うのだ。
「だけどハヤシさん、このTシャツって袖《そで》がすごく凝ってますよ」
 なるほど二段に分かれて面白い味を出している。だからといって一万三千円はあまりにも高いのではないだろうか。これは原宿という共同体の掟を裏切るものではないか!
 義憤にかられる私のところへ、テツオがやってきた。そして紙袋を見て言う。
「あのね、ここは有名なセレクトショップなの。世界中から最先端のものを集めてくるんだから、高くても仕方ないよ。コギャル相手の店じゃないよ。へぇー、この店を知らなかったの、信じられないよ、遅れてるよ、相当」
 私は口惜しかった。原宿に住み、あらゆる雑誌を読み、いろんなブランド、ショップは知っているつもりでいたのに……。おーし、これから毎日ラフォーレへ行ってやる。竹下通りへも見学に行くぞ、と誓った私である。今日はこれから青山のコムデへ行き、雑誌に出ていたバラの模様のブラウスを買う予定。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%