日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

美女入門31

时间: 2019-07-30    进入日语论坛
核心提示:中田との、あの夜 日本中が、中田、中田と騒いでる。 私のまわりでも、いままでサッカーに興味のなかったようなオバさんまで、
(单词翻译:双击或拖选)
 中田との、あの夜
 
 
 日本中が、中田、中田と騒いでる。
 私のまわりでも、いままでサッカーに興味のなかったようなオバさんまで、彼にお熱を上げている。全くけしからん。こういう人のことを本当のミーハーというのであろうが、私も、もちろんこうしたうちのひとりである。
 私は前から前園のファンで、彼に対する気持ちはいまも変わっていない。ちょっと不調になっているものの、彼だったらすぐに前のパワーを取り戻せるだろうと信じている。
 そう、私は、一度好きになった男を忘れない。昨年の対談の際、二人で撮った写真はずうっと手帳に入れているし、彼と行った焼き肉のことは、ずうっと私の大切な思い出だ。私はゾノに心中《しんじゆう》だてて、中田のことを好きになるまいと思っていたのであるが、聞けば二人は親友同士というじゃないの。それに、やっぱり中田は素敵《すてき》ですよね。試合している時もいいけど、ユニフォーム以外のものを着たらまた最高。あんだけ洋服を着こなせる人は、タレントの中にもいるもんではない。
 私の仲良しの女性編集者で、この頃中田と親しくなったのが出てきたので私は口惜しくて仕方ない。
「昨日さ、ヒデとご飯を食べたの」
 などという言葉を私はどんな思いで聞いたことであろうか。口が裂けても、
「一回会わせて」
 なんて言いたくない。私にもプライドというものがある。それに彼が私のことを知っているわけもないであろう。が、私と彼は何あろう、大きな共通点があるのだ。ジャーン、同じ山梨県出身なのである。
 山梨はなまじ東京に近いばっかりに、よくイジめられる。かの田原俊彦さんは、山梨出身ということを必死で隠そうとしていた。そういうミエっぱりは、よくないと思う。
 中田が山梨県出身ということは、皆が知っている。本人もそれについて、どうということはないようだ。ごく自然にふるまっている。
 それにしても中田って、どうしてあんなにおしゃれなんだ。山梨県人だなんて、どうしても信じられない。
 この間、マガジンハウスから出ている「ブルータス」の表紙に、中田が登場した。
 多分グッチだと思うのだけれども、黒いスーツに身を固めた彼のカッコいいことといったらない。関係者の話によると、このポスターや中吊《なかづ》りはたくさん盗まれたそうだ。
 ポスターだけではない。彼の写真集も、あっという間に売り切れたという。いま日本でいちばんの人気者が同じ郷里出身というのは、なんと嬉《うれ》しいことであろうか。
 思えばデビュー以来、山梨出身ということでかなり悪口を言われてきた私。「田舎者」だというのだ。が、見よ、日本でいちばんグッチが似合う若者は、山梨出身なんだぞ。
 そしておとといのこと、知り合って間もない人たちと、麻布のイタリアンレストランへ出かけた。昨年オープンしたばかりで、とても流行《はや》っている。
「ハヤシさんって、どこの出身なの」
 私の隣に座っていた人が尋ねた。
「私、山梨。山梨ってさ、民度が低くて文化不毛の地って言われてるの」
 ワインに酔った私は、ぺらぺらと喋《しやべ》り始める。こういう時、ふる里に対して人は偽悪的になるものだ。
「有名人がホントに出ない土地なのよ。私のうちの近所に、中沢新一さんのうちがあるけど、まあ、そのくらいかしら。作家も出なけりゃ、芸能人も出ない。トシちゃんは高校まで山梨だったくせに、横須賀《よこすか》出身ってずっと言ってきたのよ。ま、イメージとしちゃそっちの方がずっといいわよね。あー、でもね」
 私はドンとグラスを置く。
「中田が出たのよ、中田がいるわよ。あの中田のおかげで、私たち山梨出身は、どのくらい肩身が広くなったか!」
 やがて話題は、今日観たお芝居のことになり、私はパスタを食べながらふっと目を上げる。
 なんと私の真ん前に、中田が立っているではないか。本物だ。背が高い。セーターが可愛い。
「中田だ……」
 思わずフォークを取り落としそうになる私。彼はトイレに立ったらしく、そのまま私たちの後ろのテーブルに座る。ということは、さっき私の話を聞いてたのね。ああ、どうしよう。友人が小声で慰めてくれる。
「仕方ないよ。いま、中田の話題は、天気の話をするのと同じで、日本中がやってることなんだから。でも後ろに座ってるなんてことは、ふつうあり得ないけど」
 中田のテーブルに座った人たちが、帰り支度についた。中に私のよく知っている女性編集者がいて、なんと中田を私に紹介してくれた。すっごく感じよく笑いかけてくる中田。
「前園さんによろしくね。彼と焼き肉へ行ったのよ」
 どもって何を喋ったかわからない私に、彼はにっこりと話しかける。
「今度、僕も誘ってください。すごくおいしいところだそうですね」
 もちろんよと言い、私は緊張のあまりこう口走った。
「あなたは山梨の誇りなんですから、がんばってね」
 後に皆から、バーカとせせら笑われたひと言であった。痛恨!
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%