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美女入門197

时间: 2019-08-23    进入日语论坛
核心提示:面白うてやがて悲しきショッピングミラノにやってきた私。読者の皆さん、お気づきだろうか。そお、ダイエットにまあまあ成功して
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面白うてやがて悲しきショッピング

ミラノにやってきた私。読者の皆さん、お気づきだろうか。そお、ダイエットにまあまあ成功して以来、初めてのヨーロッパなのである! 今まで外国に行っても、サイズがなくて涙を呑《の》んだことが何度あるだろうか。特にアルマーニなんかは、海外でも細っこい。
「あんたのサイズはないわよ」
と、店員から英語、イタリア語、フランス語で言われ続けた私。もうサイズが合えば、好みは二の次にして買ったもんだわ。
が、もう今年の私は昨年の私と違う。例えば昨年の九月に、パリでセリーヌの例の格子柄のスタートとスーツを買ったが、もう今年になったらダブダブで親戚《しんせき》のコにあげてしまった。そのくらいの体型の変化で、最近は着るものが無くなってしまった。
「ミラノじゃ、買うよ」
と私は秘書に宣言し、ゴールドのクレジットカードの限度額を、二倍にしてもらったのである。
そしてまず行ったところは、シャネルのブティックだ。普段私はシャネルを着ない。それなのにどうしてまっ先にここにしたかというと、撮影に使うイブニングドレスを探しに来たのである。明日はスカラ座の王族用の桟敷《さじき》で、優雅にオペラを見ている私、という設定で写真を撮ることになっているのだ。日本からそれなりのものを持ってきたが、やはり現地調達しなくっちゃね。
夏だからソワレは三着しかなかったが、その中の一着が私にぴったり。薄いベージュのシルクに、黒いビーズで模様がついているのだ。今までだったら、�飛び込み�でシャネルのイブニングを買うなんて全く無理な話であったが、今はそれがかなうんだ。
この気持ちってわかる? デブの魔法が解けたお姫さまの気分よ。私の頭のネジが狂ってきたのも仕方ない話でしょう。
今回ミラノでは、ゴージャス路線をつっ走った。そして次に行ったのはヴァレンティノ。
日本ではヴァレンティノに足を踏み入れたことがない。自分とは縁のないブランドだと思っていた。すっごくキレイ、すっごく高い、すっごく細い、というイメージがあったからである。
が、店に入ると可愛いワンピースやスーツがいっぱいだ。イブニングドレスも素敵であるが、靴の美しさといったら……。オートクチュール感覚の、まるで工芸品のような靴。私のサイズのものがあったのでさっそく買った。またここでイブニングスカートもゲット。ピンクのスウェードとレースを使った、もう涙が出てきそうなくらいキレイなキレイなスカート。床までの長さで足が透ける。
どこに着ていったらいいのかわからないが、でも絶対に欲しい。今まで叶姉妹が来てるようなパーティは大嫌いだったが、これからはバシバシ出かけることにしよう。
さて、海外のショッピングの醍醐味《だいごみ》のひとつは、初めてのブランドを体験することであるが、いつものブランドを安く手に入れるのももちろんある。出来たばかりのジル・サンダーのお店に行く。広くて品物も豊富だ。
私のことをいいお客だと思ったのか、赤毛の可愛い店員さんがそっとささやく。
「夏ものは来週からバーゲンなんだけど、今日から三割引きにしてもいいわよ」
あー、ホントととびあがった。夏ものといっても、秋に着られそうな革ものもある。あーん、嬉《うれ》しいよと、ここでも買いまくったのである。
お洋服が決まったら、次はカッコいい男性ですね。が、こっちもついてた。スカラ座の撮影の時にメイクしてくれたヘアメイクの日本人男性が、かなりのハンサムだったのである。ちょうど来週からメンズのミラノコレクションが始まる。
「僕の友人のモデルも、日本からいっぱいやってきてるんですよ」
と彼が言い、私は反射的に叫んだ。
「じゃ、明日の昼ごはんでも一緒にどうかしら」
こっちは独身の女性編集者とコーディネイターと一緒だけれど、男性モデルとの合コンなんていいかもしれない。ミラノで若くていい男に囲まれるなんて、なんて私はついてるんでしょう。ハハハ。
次の日、そのヘアメイクの彼が案内してくれ、ミラノいちといわれるセレクトショップへ出かける。ここはイタリアン・ヴォーグの編集長の弟だかがやっていて、ものすごくセンスがいいんだそうだ。
が、私から見るといろんな有名ブティックのものをごっちゃにしただけ。小物は流行のオリエンタル。あれだったらいろんな店をのぞく日本人旅行者には必要ないかも。が、ここでも早くもバーゲンが始まっているという。
「みんな半額、プラダ、フェンディ、ヨージヤマモトは三割引きだよ」
ということで、お土産用にミュウミュウを何枚か買った。が、レジのところでトラブルが起きた。意地悪そうな女の店長が出てきて、
「割引きは、常連の私のお客さまに対してだけよ」
などと言い出したのだ。仕方なく定価で買いましたよ。そしてこれらの買い物は今日成田でちゃんと申告し、十一万円税金をとられた私。
「面白うてやがて悲しきショッピング」
カードの請求が怖くてたまらないよ。ああ、知らないうちに誰か払ってくれる人が欲しいよ!
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