七五 オシラサマの神体は多くは烏《え》帽《ぼ》子《し》と丸頭のもの、または丸頭のみ二体というのが最も普通である。馬頭はそれよりもまた古い型ではないかと思う。注意すべきことはこの神の由来として伝えられる物語と、神の御姿との関係である。男神の頭を馬頭に刻んだのは少なくないが、時には姫神の髪を垂れた頭に、尖った二つの獣の耳だけをつけた例もある。全体に新しいものほど丈《たけ》が長くなっているかと思われ、中には一尺から一尺二、三寸のものもあるが、古いのは多くは短くなっている。馬頭のオシラはたいてい短くまた小さい。