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落語百選42

时间: 2019-09-15    进入日语论坛
核心提示:売り声先々《さきざき》の時計になれや小商人《こあきうど》 あの豆腐屋が来たから何刻《なんどき》だとか、あの八百屋が来たか
(单词翻译:双击或拖选)
 
売り声

先々《さきざき》の時計になれや小商人《こあきうど》
 あの豆腐屋が来たから何刻《なんどき》だとか、あの八百屋が来たから何刻だよ……と、そうなるのはたいへんですが、昔はみんな町内を売り声でもって、いろいろな商売が往来したものです。
売り声というものはむずかしいもので、豆腐屋は、
「トーフー」
と言えばよさそうだが、家の中にいては豆腐と聞こえないそうで、なれた方は、
「エーウーイ」
これで、豆腐に聞かせるそうで……、なかには、
「アヤーウーイ」
なんて、あやしいのがある。
 納豆屋は、
「なァッとなッとォ…なァッとォ……」
と、糸を引いたようにやらないといけません。
「なッとなッとッ……」
なんてえのは、納豆がこちこちしているようで……。
  一声《ひとこえ》と三声《みこえ》は呼ばぬ玉子売り
「タマーゴー」
と申しますと、
「ドーレ」
道場の取りつぎが出て来るようでいけません。三声でも具合いの悪いもので、
「タマゴタマゴタマゴー」
あとからだれか追っかけてくるようで、これは、二声《ふたこえ》に限ります。
「タマゴー、タマゴーォ」
  大根とつくべき文字につけもせず、いらぬ牛蒡《ごぼう》をゴンボーという……
「ダイコンやダイコン、ダイコンやダイコン」
これではごりごりしてス[#「ス」に傍点]がありそうで、そこで、
「デェーコ、デェーコ」
なんとなく、泥がついて、水々しく聞こえます。
牛蒡の売り声も一声《ひとこえ》では具合いが悪い。
「ゴボッ」
なんか掘っているようで、これを続けて言うともっと具合いが悪い。
「ゴボ、ゴボ、ゴボ、ゴボッ……」
井戸の中へ徳利でも放りこんだようで……、そこで、大根のいらない「ン」の字をいれて、
「ゴンボー、ゴンボー、ゴンボ」
 一声《ひとこえ》でも二声でも売り声のむずかしいのが、麩《ふ》でございます。麩屋さんですね。一声ですと、
「フウ」
なんか吹いているようで、二声でもおかしい。
「フウ、フウ」
なんか冷《さ》ましているようで、三声でやると、猫の喧嘩《けんか》みたいになりまして、
「フウフウフウ」
屋の字をつけるとなお悪い、
「フヤ、フヤ、フヤ」
鼻の障子がないようです。ですから、「ござい」という言葉をつけます。
「えー、フ屋でござい」
 一声半《ひとこえはん》という売り声がございますが、これは、唐辛子屋。
「トンゲェー、トンガラシェー」
頭へトンゲということをつけます。
 夏になると、金魚とか、鈴虫とか、心太《ところてん》とか、それだけで季節の移り変わりがわかりました。心太屋もやはり、一声半で売り歩きます。
「ところォてんやァ……、てんやァ…い」
 苗《なえ》も売りにきました。苗屋は、声を自慢にして歩いています。
「苗やァ苗、隠元《いんげん》の苗やァ…夕顔のォ苗……」
「白粉《おしろい》の苗ありますか?」
「今日はァ持ってェこない[#「ない」に傍点]……」
持ってこない苗《なえ》なんてえのはない。
 定斎屋《じよさいや》というのもありました。箪笥《たんす》の細長いようなものを担いで、かたんかたん、かたん、音をさせて……盲縞《めくらじま》の半纏《はんてん》にねずみの股引をはいて、脚絆《きやはん》がけに草鞋《わらじ》、炎天を笠もなにもかぶらないで歩いて、渋っ紙のような色をしている。
「定斎屋でござァーい」
「ああ、定斎屋さん、定斎をのんでるから、あんなに丈夫なんだよ」
もっとも、患ったときは、出てきません。
 金魚屋の声もまことに涼やかで、五月ごろから浴衣《ゆかた》がけに置き手拭というのをしまして、一町一声……ながくのばして、
「メダカー……キンギョーォウ」
この売り声を聞くと、自然と眠気《ねむけ》を催します。
これと逆なのが魚屋、死んでいる魚《さかな》を生きているように、
「オーイワシッコオッ」
はねっ返るように大きな声で売り歩きますから、眠っていても、びっくりして目をさまします。
これをあべこべにやったんでは具合いが悪い。魚屋の売り声で金魚を売ると、
「メダカッキンギョッ」
これでは金魚がびっくりして目をまわしてしまう。魚屋の陰気なのはまた具合いが悪い。
「イ…ワショ…ォ…」
これでは、生きてる魚も死んでしまう。
「オーイワシッコオ、オーイワシッコ」
と、魚屋が向こう鉢巻で威勢よく売り歩いていると、すぐあとから、
「フルイ、フルイ、フルイー」
「おい、おい、よせやいっ、人の商売へケチをつけるね。てめえ、うしろからつけてきやがって、古い古いってやがら、魚|河岸《かし》から買い出してきたばっかりで、ぴんぴんしている魚だ。こん畜生っ、おれの鰯《いわし》が売れねえじゃねえか。もっと裏のほうかなんか行ってやれ」
「そうはいきませんよ。あたしだってこれ商売ですからね。篩《ふるい》屋なんだから、裏のほうなんざだめですよ。やっぱりこれ表通りでなきゃあこういう物は買ってくれるところはないんだから。あたしも商売……」
「篩屋か、へんな商売が来たな、おれは生《なま》ものを売ってるんだ、あとから『古いー』とついてこられちゃたまらない。向こうへ行ってやれ」
「あたしはいつもここらを売って歩くんで、そんなに気にすんなら、おまえさんがほかを売って歩いたらいいでしょう」
「生《なま》もののあとだから具合いが悪いと言ってるんだ、わからねえ野郎だな、おめえなんぞは骨董屋の店先なんぞへ行ってやれ。じゃあ、おめえ先でやれ」
「あたしはあとでも先でもこれさえ売ればいいんですから、じゃあ……フルイ、フルイフルイー」
「オイワシッコオ……だめだ、古い鰯になってなお悪いや。ほかへ行かねえと張り倒すぞ」
魚屋と篩屋と喧嘩になった。そこへ古金屋《ふるかねや》が仲裁に入った。
「お待ち、お待ち、なんだって商人《あきんど》が喧嘩してんだ。どっちも商売だ。出商人《であきんど》が往来で喧嘩すりゃあお互いにお得意さまを一軒ずつでも損するじゃないか。あたしが仲人《ちゆうにん》になって仲を扱う、悪いようにしないから……まあ、魚屋さん、おまえさん、先へ立ってやんな、篩屋さんも……あたしがそのあとを行くから……」
「じゃ、まあお願いします」
「オーイワシッコオッ」
「フルイー、フルイー」
そのあとから古金屋が、
「フルカネー、フルカネー」
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