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落語百選98

时间: 2019-09-15    进入日语论坛
核心提示:大仏餅《だいぶつもち》三遊亭円朝作の三題|噺《ばなし》で、題は「大仏餅」「袴着《はかまぎ》の祝い」「新米《しんまい》の盲
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大仏餅《だいぶつもち》

三遊亭円朝作の三題|噺《ばなし》で、題は「大仏餅」「袴着《はかまぎ》の祝い」「新米《しんまい》の盲乞食《めくらこじき》」の三題——。
 大きいものの名物の一つに、奈良の大仏がある。その昔、大仏の目が片方とれたことがある、そのときの話——。
あるとき、大仏の目が、大きな音をさせて、ガラン、ガラガラガラン……と、腹の中へ落っこちて、片方だけ空洞になってしまった。これには土地の人も心配して、なんとか修繕をしなくてはと……大勢が寄って相談をしていると、そこへ一人の男がやってきて、
「あたくしがやりましょう」
「あなたが? ふゥ、やってくださるのはありがたいがねえ、なにしろ……あんな高いところへ足場をかけるったって、たいへんなんだ」
「いいえ、足場なんぞいりません。大仏さまに這《は》い上がっていきまして、あの目玉のがらんどの所《とつ》から中へ入って、お腹の中へ落っこっているのを張りつけりゃあいいんですから……造作もない事《こつ》です」
と、この大仏へ攀《よ》じ登っていって、空洞のところから中へ入って、腹の中に落ちている目の玉を拾って張りつけた——これで大仏はもとどおり、両眼明らかになった。
「へーえ……世の中にはえらいやつがいるもんだねえ……一人で直しちゃったよ」
「え? あッ……あれ、あの人は、入ったところを塞《ふさ》いじまったねえ。どこから出て来るんだろうねえ、大仏の腹ン中に生涯いるつもりかね?」
大勢が心配していると、男は、やがて鼻の穴からすーっと出てきた。
利口な人は目から鼻へ抜ける——。
 奈良の大仏の傍《かたわ》らに鐘撞堂《かねつきどう》があって、そこで「大仏餅」というのを売っている。あまりうまくはないが、名物には変わりはない。昔、この「大仏餅」が江戸へ出て来て、浅草の並木の付近に店を出して、観音さまへ参詣《さんけい》の方が帰りに土産《みやげ》に買っていく……たいへん繁昌した時代もある。
「旦那、雪が降ってまいりました」
「そうかい、いやに冷えるとおもったがなあ、とうとう降ってきたか。じゃあ今夜は積もるな、こら……おい、徳次郎、表にだれかいるようだぜ」
「……お願いでございます。おとっつぁんが怪我をいたしまして、血止めにいたします、煙草の粉《こな》を少々いただかしてくださいまし」
「お乞食《こも》さんのようだね。どうしたい?」
「……はい、あたくしは新米の盲乞食[#「新米の盲乞食」に傍点]でございまして、土地の様子がわかりませんもんでございますから、この山下《やました》でいただいておりますと大勢の乞食に取り巻かれまして『ここはおれたちの縄張りの内だ、渡しもつけねえで、なんでもらって歩く、ふてえ野郎だ』……寄ってたかって殴られまして、息子《これ》に怪我があってはたいへんと、息子を庇《かば》っておりますと、うしろからどんと突かれまして、膝を擦《す》り剥きましてございます。お情けでございます、煙草の粉《こな》を少々いただかしてくださいまし」
「そうかいそらあ、かわいそうに……ああそりゃあねえ、おまえ煙草の粉じゃあだめだよ。たいへん血が出て……おいおい、その、用箪笥《ようだんす》の小さいほうの抽出《ひきだ》しに、傷薬《きずぐすり》があったろ? ああァそれそれ、こっちへおくれ……こっちへ足をお出しよ。この薬は、やたらのとこに売ってない薬だ、�鎧《よろい》の袖《そで》�と言ってね。もっとこっちへ足を出してごらん。そのかわりしみる[#「しみる」に傍点]よ、いいかい? そら……どうだ? しみるだろう?……おい、古|手拭《てぬぐい》一本やっとくれ、うん……切らなくてもいいよ。それェ巻いてね……ああ、どうだい、しみるだろう?」
「……旦那さまァ、結構なお薬でございます。痛みがばったりと止まりました」
「ああそりゃよかったね。この子はなにかい、おまえの子かい」
「はい、倅《せがれ》でございます」
「いくつになるね?」
「六つでございます」
「そうかい、たいへんなちがいだ。うちの子供の今日は袴着の祝い[#「袴着の祝い」に傍点]で、お客さまを招待して八百善の料理を取り寄せて、いま食べて帰ってもらったところだ。あれがまずいのこれが気に入らないのと贅沢《ぜいたく》なことばかり言って、ああたいへんなちがいだねえ、あの……料理の残ったもんがあったろ? ああそれやっとくれ……ああなんか容物《いれもの》がなくちゃあいけないなあ。面桶《めんつう》かなんかァ持ってるかい?」
「ありがとう存じます。結構なお薬を頂戴したそのうえに、お料理のお余りを頂戴する、ありがたいことでございます。それでは、お言葉に甘えまして、へへえ、これへ、頂戴をいたします……」
「そうかい、これへ……こりゃあたいへんだ。こりゃあ、たしか朝鮮|鈔羅《さはり》の水こぼし……おまえさんはなにかい、この水こぼしを、面桶の代わりに使ってなさるのか?」
「なにもかも売りつくしまして、それはわたしの秘蔵の品でございます。手放すことができませんもんで、ただいまもって、面桶の代わりに使っております」
「はあはあ、恐れ入ったねえ、おまえさんはお茶人だね? いやあ、こりゃあおどろいた。あのねえ、お膳を二つこさえとくれ、ああ。おまえさんが、この朝鮮|鈔羅《さはり》の水こぼしを、面桶の代わりに使っている、恐れ入った。ご飯をあげたいから……」
「あ、あ、あッ、旦那さまァ、あたくしはかように、汚《きたの》うございますから……」
「えへッ、そんなことを心配しなくったっていいんだよ。あッはっはっはァ。そこをぴったりと閉めてねえ、雪が吹っこむから……ああ、足が汚れてるなあ。……おい、徳次郎、この人の足ィ洗ってやんなさい……なぜおまえはそういうことを言うんだ、え? いまこそァお乞食《こも》をしてても、もとは相当な方だ。なぜ人をそう見くびりなさる。おまえなんざあそんな了見だからだめだ……あの、洗ったかい? ああ、お膳は、そこに二つ並べてある。残り物だけど、八百善の料理だ、たくさんお食べよ」
「ありがとう存じます。それでは、お言葉にしたがいまして、頂戴いたすことにいたします。これ、幸之助、おまえなんぞは、八百善の料理は、食べはじめの食べじまいだぞ。だいいちお膳で頂戴するなんてもったいない。よく、お礼を、申し上げていただきなさい」
「旦那さま、おありがとうォございまァーす」
「たくさんお食べよ。えっへっへっへェ、見るからに以前おまえさんも相当の方のようにおもうけども、時節が変わったんでお気の毒だあ」
「はい、昔はわたくしも、お客さまを招待いたしまして、八百善の仕出しを取り寄せて、食べていただいたこともございました。料理がまずいの、お汁《つゆ》が甘いの辛いのと、贅沢を申したために、かような俄《にわか》盲目《めくら》になりました。ただ、かわいそうなのがこの子でございまして、雪の降るのに素足《はだし》で歩いて、親の面倒をよくみてくれます。まことに恥ずかしいしだいでございます」
「いえあたしの言うのはねえ、おまえさんが、この、お乞食《こも》をしてても、朝鮮鈔羅の水こぼしを、手放さないってそこがあたしおもしろいとおもってんだ」
「はい。さる方が、値をよく買うから、手放したらよかろうと、こう言ってくれましたが、えっへっへェ、なんの因果でございますか、あたくしが、どうしてもこれを自分からはなすことができませんもんで、まことに、お笑い草でございます」
「おまえさんは真《しん》のお茶人だ。お流儀は?」
「千家《せんけ》でございます」
「どなたの門人だ?」
「川上|宗治《そうじ》のお弟子でございます」
「あなたのお名前は?」
「……あ、あたくしの名前は、申しあげたくないのでございますが、かずかずのご親切……なにをお隠し申しましょう、あたくしは、芝片門前《しばかたもんぜん》に住《す》まいおりました、神谷《かみや》幸右衛門でございます」
「……え? 神谷幸右衛門とおっしゃると、あのお上《かみ》のご用達をなすってた、あの神幸……へええ……や、こりゃあおどろいた、こりゃ意外だねえどうも。いやあわからんもんで、いやあ、それなれば、お話をしますがねえ、こういうことがありました。久しい前の話だけど、なんかお宅のおめでたいことがあった。あたしも近江屋もご招待を受けた。あたしはのっぴき[#「のっぴき」に傍点]ならない用事があって行くことができなかったが、はあ人間なんてものはわからんもんだ。おみな[#「おみな」に傍点]ァ、聞いたか?」
「うかがいましてございます。まことにおいとしいことでございます。よく道具屋の原久《はらきゆう》がまいりまして、お宅の、お庭のご様子がこうの、お茶席の具合いがこうのと、よく話をしてくれました。まことに、お気の毒さまでございます」
「……そう、おっしゃいます、あのこちらさまは?」
「あたしは御徒町《おかちまち》におりました、河内屋金兵衛ですよ」
「はあ、はあァ、さようでございますか。なればこそ、この水こぼしがお目に止まりました。……ありがたいことでございます」
「いやッ、こりゃあ奇遇だね。こうしよう、あの、神幸さんに、あの、お薄《うす》を一服あげたいねえ、うん。あの、その鉄瓶点《てつびんだ》てでいい……ああその、棗《なつめ》でいいでしょ。あの……お薄を一服あげたいから……」
「さようでございますか? あたくしはもう、生涯お薄なぞは、いただけないものと、おもっておりました。旦那さまの、お点前《てまえ》を頂戴する、もうこの世に心残りはございません」
「いや、そうおっしゃられるとまことに困る……なんかあのお菓子があったろ? え? みんな、お客さまに出してしまった、ああそうか、そりゃまずい、ま……ああ、大仏餅[#「大仏餅」に傍点]があったろう? ああそう、それそれ、ああこっちへおくれ。さ、この大仏餅を食べてくださいよ。子供にやってくださいよ」
「ありがとう存じます。それでは頂戴をいたします。これ幸之助、いただきなさい。おとっつぁんに手に一つのせておくれ、はい……旦那さまァ、この大仏餅というお菓子は、雅《が》がございまして、お茶うけには結構なお菓子でございます。では、頂戴をいたします……ううッ、うッ……うッ……」
呑《の》みこもうとして咽喉《のど》につかえ、目を白黒させる。
「お、お、どうなすった? え? 咽喉へつかえた? あ、そ、泣きながら食べるから……おッおッ、神幸さん、しっかりなさいッ」
ぽォーンと背中を叩く……。
「うッ……(鼻声で)ありがとふゥございまァし……た。胸のつかえはホれまヒてございまフ……」
「あれッ、あなた、目があいたね?」
「はあ、目があきましたが、鼻がこんなになりました」
「はあ、食べたのが大仏餅、目から鼻へ抜けた」
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