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愛人の掟 04

时间: 2019-10-18    进入日语论坛
核心提示:愛人の掟2「愛人の掟」が、読者ページで意外な波紋をよんでいるようである。 はじまりは、不倫中の女の子がわたしのエッセイを
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 愛人の掟2
 
「愛人の掟」が、読者ページで意外な波紋をよんでいるようである。
 はじまりは、不倫中の女の子がわたしのエッセイをバイブルにして日々頑張っている、という一通だ。その後、なんと二十歳の若き不倫経験者の励ましのお言葉が続き、ああ、わたしも少しは世の中の役に立ててよかったなあ、とニコニコしていた。
 ところがそこへ、不倫反対のお手紙が登場した。まあ当然予想されたことですが。これまた、正論に次ぐ正論の嵐、なのである。とにかく不倫なんかもってのほか、どうして妻のいる人と恋愛なんかするんですか? 妻の立場を考えたことあるの!? と来た。常識を知らず理性の利かない、そんな恋愛は一日も早くやめるべきだ、そうだ。
 この手紙を読んでいて、わたしはちょっとぞっとしてしまった。これを書いた女性がおいくつなのか知らないけど、意見はまるで、おばさんの井戸端会議みたい。きっと十数年後には、「どんな人を好きになってもいいけど不倫だけはするな」とか言っちゃう母親になるんだろうなあ。
 わたしは何度も言っているように、不倫の恋を奨励しているわけでも、不倫マニュアルを語るつもりもないのだ。ただ、そんな禁断の恋に落ちてしまったら決して「理性で」なんて後戻り出来ないことを知っているだけに、同じ不倫をするならそれを素晴らしい恋にしてほしいという切なる願い、だけなんである。
 それに最初に断ったように、相手に奥さんがいるとわかった瞬間から恋心をセーブできる、なんていうお利口さんには一生縁のない恋なのだ。だからそういう人は黙って「常識ある」恋だけしてればいいじゃないですか。大事なのはこの、黙って、というところね。いくら自分に縁がないからって、不倫の恋をしている人をとやかく批判する資格は全然ないんですよ。
 こういう人は、自分では気づいてないかもしれないけど、完全なる「恋愛差別」をしているのである。だってこの、不倫の恋だけを目の敵にして特別視する風潮というのは、逆に言えば、相手が独身でありさえすれば何してもいい、ってことでしょう。彼に恋人がいようが婚約者がいようが、泥仕合をくり返そうが二股かけて傷つけようが、戸籍上、お互いが独身であればそれは「いけない恋」にはならない、わけですよね。わたしの考えではこちらのほうがよっぽど「不倫」だと思うけど。
 最初から恋愛にそんな差別をつけて、向こう岸には絶対渡りません、なんて生きかたをしてたら本当に胸を焦がす恋に出会えるのかさえ怪しい。川を渡るか渡らないかはその人の自由だけど、向こう岸を必要以上に恐れたり、あちら側にいる人を軽蔑したり否定したりするのはおかしい。嫌だったら見ないふりしてればいいだけのこと。
 それに、わたしの知る限り、何の気なしに恋愛気分で不倫している女の子なんてひとりも見たことがない。それは世間の大きな誤解というもので、不倫の恋をしている女性たちはみんな、ものすごく純粋に、真剣に、必死で恋愛してるよ。「妻の立場」になんかもう何度も立ち過ぎちゃって、苦しくなってしまうくらいにね。本当にこの人と出会えてよかったという幸せの絶頂と、悲しみと寂しさのどん底を同時に経験する、こんなつらい精神修行を誰が好きこのんで遊び半分で出来ますか。本当に、どうしてもっとニュートラルな考えかたが出来ないのでしょうか。せめて「私はしたことないからわかんないけど不倫の恋って大変なんだろうなあ、でも惚れてるんだから仕方ないよね」ぐらい言ってほしいものです。
 こんなことばっかり力説していると、日本中の主婦を敵にまわしそうで怖い……。でもちゃんと「愛人の掟」に書いてあったでしょ、「妻を恨んではいけない」って。
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