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愛人の掟 41

时间: 2019-10-18    进入日语论坛
核心提示:scene 2 女は薄着でクリスマス・イヴが日曜日になってしまうと、今ひとつ盛り上がりに欠けるらしい。何となくわかるよう
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scene 2 女は薄着で

クリスマス・イヴが日曜日になってしまうと、今ひとつ盛り上がりに欠けるらしい。何となくわかるような気がする。日曜日のイヴというのはあまりに家族家族していて、危険な匂いやロマンティックな香りがまるでないのだ。やっぱりイヴはウィークデイじゃないとね。
その点お正月は、曜日だとか恋人の有無だとかにかかわらず、毎年全く変わらない顔をしてやってくる。彼ってトキメキはないけど安心感があるの、というかんじである。
そして何より彼(お正月の擬人化)の魅力は、朝から酒を飲んでも何にも言われないところ。わたしはおせち料理が病的に好きなので、野菜や豆や魚なんかを煮たやつがちまちまと並んだ重箱を前に日がな一日美味な酒を飲んで幸せに過ごす。
そして母とふたりで赤坂の日枝神社へ初詣に出かける。そこでダルマやおみくじを買って、キャピトル東急でお正月値段の馬鹿高いコーヒーを飲んで帰るのが定番コースだ。
その道すがら、たくさんの晴れ着のお嬢さんをお見かけする。洋風の顔立ちに似合わず元着付けの先生、という経歴を持つ母に言わせると「まるでなってない」そうだが、わたしは彼女たちの着物姿がわりあい好きである。だってふだん、寒いのにヘソ出したり暑いのにニットの帽子かぶったり、いきなり下着みたいな格好で歩いちゃったりしてる子が、よくここまで頑張ったなあと思うじゃないですか。思いっきり無理やりのまとめ髪から一筋こぼれた真っ黄色のおくれ毛に、その努力の跡が見えたりして、たまらなく面白い。
よく和服は隠す色気、などと言うが、それは確かにあると思う。何枚も何枚も布や帯を重ねているのに、それを止めているのはヒモだけ、というところがなんともHなのだ。一枚一枚はがしていく楽しみが容易に想像出来るところがね。
でも、この重ね着の色気は和服に限って、のこと。これが洋服の重ね着となると話は別。ほら、よくいるでしょう。Tシャツ着てシャツ着てニット着てベスト着てジャケット着てコート着て……ギャー! 出来るならばこういうのは地上から抹殺してしまいたい。
なぜなら、女の厚着は、恋愛の大敵だからである。こういう重ね着のファッションを好む女性は、例外なくスレンダーでセンスがよく、アクセサリーやスカーフなどの小物遣いがうまい。誰かみたいに全身シャネルなんかにしなくても自分だけのお洒落をアピール出来るし、顔立ちだって悪くない。が、しかし、この手の女性は圧倒的に男運がない。
この、かねてからのわたしの信念を裏付ける出来事があった。大学時代から仲良しの貴重な友人であるナガタくんとその仲間たちとともに、満員電車のようなライブスペースで騒いでいた夜のこと。宴もたけなわ、ある女の子を見てナガタくんの友人K氏が言った。
「ねえねえ、M子の胸さわってきていい?」
確かに彼女のことは知ってるけどそんなこと許可する権限も反対する理由もない。わたしとナガタくんが、まあ別にいいんじゃないのお、ムムム……とか何とか言ってるうちにK氏はさっさと実行を終えて戻ってきた。ナガタくんとわたしが半分あきれ顔で、「感触は?」と尋ねると、彼は落胆してぽつりと言った。
「いっぱい着ててよくわかんなかった」
そうなのだ。M子は悲しいかなこてこての重ね着派であったのだ。もし彼女が薄着派だったら、この夜から恋がはじまっていたかもしれないのに。
やはり女の体は常にムニョリという感触がなければ駄目だ。さわっても胸があるんだかないんだかわからないようでは殿方のH心も口説き体力も萎えてしまう。男にモテたいなら少なくとも脱がせやすい格好をするのがいちばんです。
いつの時代も女のナマニクは武器。まだまだ寒い日々が続きますが今年こそ、身も心も薄着で、をおすすめします。
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