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愛人の掟 42

时间: 2019-10-18    进入日语论坛
核心提示:scene 3 ブーツ再考車の助手席に乗っていると、実に様々なものが目に飛び込んでくる。わたしは車の運転をしないので、も
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scene 3 ブーツ再考

車の助手席に乗っていると、実に様々なものが目に飛び込んでくる。わたしは車の運転をしないので、もう助手席歴十五年選手である。
その日は西麻布でゴハンを食べたあと、彼の愛車で六本木の交差点に差しかかった。混んでいた。何度目かの青信号でやっと横断歩道が見えてきたとき、その光景にわたしはタヌキ顔なのにキツネにつままれた。
道路に引かれた白い縞々にそって左右から歩いてくるミニスカートに伸びた脚は、ひとつ残らずブーツ、であった。服もみんなお揃いみたいで、まるで兵隊の行進だ。わたしは気味が悪くなった。
このとおり巷では、空前のブーツブーム、である。去年のまだ残暑厳しい初秋から、皆さん流れる汗をひた隠しにして頑張って履いておられた。このネコもシャクシぶりは『プリティ・ウーマン』当時のスーパー・ブーツブーム以来ではないかと思う。別にブーツ自体に害はない。罪もない。しかし重大なのはそれを履く脚、なのである。
はっきり言ってブーツは日本の女性にはまず、似合わない。ショートブーツならまだしも、今年いちばん多く出ている膝丈は、なかなかわたしたちの脚を綺麗に見せてはくれない。特にあの、パリコレで流行った、ふくらはぎぐらいまでの中途半端な長さ、ありましたよね。あれなんか、日本人には絶っ対無理。言葉が足りなければ、我が愛する観月ありさ嬢以外の日本人には絶対に。
それなのに、流行ったとなると履くんですね、これが。いいじゃない、自分の脚に合った靴を履けば、と思うんだけど、脚が太く見えようが曲がって見えようが、ワタシにはカンケーないワって涼しい顔。カンケーないって、あーたの脚だよ!
流行のものを身につけたい気持ちはもちろん、わかります。わたしだって毎シーズンどんな服を買おうか雑誌をチェックしたり、行きつけのブティックを覗いたりするのは至上の楽しみだもの。
だけど、ここで大切なのは、その中から自分に似合うものを見つける能力である。これはファッションセンスなどという問題ではなく、いかに自分を知っているか、にかかっている。
まず、体型の欠点や長所。自分の体型に無理なものには手を出さない、ということだ。たとえばわたしはO脚だからブーツは履かない。同じく膝丈前後の中途半端な長さのスカートも履かない。丸顔だからハイネックは着ない。胸が小さいから……と、きりがないからやめとくけど。
次にキャラクター。自分の顔のつくりや性格、頭の善し悪しなどから自分はどんなキャラでいくのがマルなのか、を客観的に判断すること。
わたしはどんなにきちんとした格好をしても「何かちゃらちゃらしたいい加減な人」に見られるらしい。くやしいから五、六年前からスーツを着るのをやめた。どうせちゃらちゃらなら、最初からちゃらちゃらした格好をしたほうが手っ取り早いからね。
こんな風に、自分に合った服や靴を選ぶのはそれだけで立派な自己プロデュース、なのである。もちろんこれがきちんと出来るようになるには、時間もお金もかかるんだけど、まあ、二十五歳ぐらいまでにはこの授業を終えてほしいなあと思う。
早い話、それが自分の「身の程を知る」ということなのだ。
女にとって、何より大切なのは身の程を知ることだ、とわたしは思っている。言葉にしてしまうと少々きついから、皆様の反感を買いそうで不安だけど、だってほんとにそうなんだもん。「身の程」さえ知っていれば、容姿や体型に合わない服や靴を選ぶことはなくなる。仕事に不平不満ばかり言っていることもなくなる。そして何より、男選びにも大失敗しなくなるのだ。
いつもいつも明らかに高望みだったり、自分のキャラに合わない男に引っかかったりし続けている人は今一度、自分を見つめ直してみてほしい。内面からも、外面からも。
皆さんの家にもひとつは全身が映る鏡があるでしょう。もし持っていなかったら、さっそく今度のお給料で買いに行きましょう。体重計の数字よりもずっと、あなたの味方になってくれると思うよ。
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