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愛人の掟 66

时间: 2019-10-18    进入日语论坛
核心提示:scene 27 ババシャツ撲滅宣言ババシャツが流行っているらしい。ラジオ番組のネタ出し会議でこの噂を聞きまさかと耳を疑っ
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scene 27 ババシャツ撲滅宣言

ババシャツが流行っているらしい。ラジオ番組のネタ出し会議でこの噂を聞きまさかと耳を疑ったのだが、アナウンサーのミユキさんとライターのタマコさんは涼しい顔。
「そうそうあれ、あったかいのよ。一度着るともうヤミツキ」
ババシャツとはその名のとおりオバサンしか着ないものと信じていたわたしは、その真偽を確かめるためにデパートの下着売り場に取材に出かけた。
「今年はぴったりしたコートが流行ですから、下にジャケットとか重ね着できないんですよお。だから寒いっていうんで若い女性のかたによく売れてますよお」
自信満々で並べられたのは見るもおぞましいババシャツの数々。ご存知、ぬめっとした肌色・長袖の、色気のひとかけらもない、あれである。街で見かける女の子たちのお洒落なコートの下に、あんな恐ろしいものが隠されていたなんて。ショックで放心状態に陥っていると、デパートのおねえさん、といっても明らかにわたしより年下の店員さんが制服の袖をまくって追い討ちをかける。
「あたしも着てるんですけどお、ほんと、あったかいんですよお」
確かに、あったかいのはわかる。しかし、うら若き女性があんなものを身に着けては絶対にいけないのだ。だって、Hするときどうするんですか。ドキドキして服を脱がせてみたらババシャツなんて、男性たちが可哀想すぎる。ボディコン全盛期に流行ったガチガチのボディスーツのときもHの敵だと思ったけど、ババシャツにくらべれば可愛いもんだったなあ。
「だってデートのときはババシャツなんか着ないもーん」と言われるかもしれないけど、その考えかたがまずいけません。実際、「今日はデートだから」というHの予感がない限り、下着にはあまり気を遣わない女性が意外に多いんだそうだ。彼女たちに言わせると、上下お揃いの外国製の高い下着は「ここぞというときのための」下着で、滅多に取り出されることはなく、それ以外の日は上がベージュで下が黒なんていう世にも奇妙な格好でも全然平気らしいのである。
これはほんとに嘆かわしい事実だ。だってこれじゃあ自分から恋を遠ざけているようなものですよ。恋なんて、頭の先から爪の先までハプニングで出来てるんだから、予定どおりになんか運ばない。一歩外に出たら、どこでいつどんな素敵な人と突然恋に落ちるかわからないのだ。
もしそうなったとき、あ、今日はHする予定じゃなかったから服は脱げないわ、なんて言ってたら、せっかくの恋のチャンスが台無し。こうやって恋愛にブレーキをかけてしまうババシャツは悪以外の何ものでもない、とわたしは思う。
「ここぞというときのための下着」なんて何の役にも立たない。女性なら、毎日がここぞという日であるべきだ。別に高い下着をいっぱい買いなさいと言うわけじゃなくて、せめて色ぐらい毎日揃えてほしい。服のコーディネートにかける時間の何分の一でもいいから下着に気を配ってほしい。常に突然のHに耐えられる下着を身につけておくことは当然の女性の身だしなみである。
もちろんその下着が人目にさらされることなく終わる日のほうが多いに決まっているけれど、大切なのは心の持ちよう。「今日はババシャツ」とちらっと頭をかすめるだけで、どうしても恋に消極的になる。逆に素敵な下着をつけているだけで、知らず知らず積極的になれる。女ゴコロは微妙なのだ。
いつも体のすみずみまで準備万端にしている女性はやっぱり恋に対して前向きになれる。たとえば冬場になるとムダ毛の処理を怠ってしまうという人、これも要注意。季節にかかわらず恋は一年中やってくるんだから油断は禁物。
それからひとり暮らしの人は、思いきり部屋を散らかしたまま出かけるなんて駄目。部屋を出ていくときはひとりでも、帰ってくるときふたりにならない保証はどこにもないでしょう。いつも完璧に掃除しておくのは無理でも、最低限、男性の観賞に耐えられる程度に部屋はきれいにしておく。その小さな努力のひとつひとつが恋を見つける大きな第一歩になるはず。
ババシャツを着ていいのは冬に寒いロケが続く女優さんやモデルさんだけ。一般人のわたしたちはちょっと寒いぐらいガマンして、おしゃれな下着で風を切って歩こう。今日、家に帰ったらさっそく、恋の敵ババシャツはえいっと全部捨ててしまおう……でもこんなこと言っちゃって、あれってけっこう高いらしいね。
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