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糸井重里の萬流コピー塾15

时间: 2019-11-08    进入日语论坛
核心提示:ハンパじゃないぜ 家元が下々の暮らし向きなど調査せんとして、おでん屋などというところにおもむいたおりに、ふと小耳にはさみ
(单词翻译:双击或拖选)
 
ハンパじゃないぜ
 家元が下々の暮らし向きなど調査せんとして、おでん屋などというところにおもむいたおりに、ふと小耳にはさみし言葉があったのじゃ。
「やっぱ、よォ、おでんのなかでも一等人気ねぇのって、ちくわぶだろーね。俺なんかよォ、ちくわぶなんてものがあること自体忘れそうになってるもんね」
と、ある若者が言った。
「いずれ、あれって、おでんのなかから消えてっちゃうんじゃないのォ」と、隣りのブスも言った。反対隣りのブタも「ふとっちゃうような気がして、好きくないッ」などと可愛い声を出しおった。
これほどバカにされてもなお人々の口に入ろうなどというケナゲな意志を持つ食物が、この地球上にまだ存在しているのだ。
私は、このケナゲさに心をうたれた。なんとかして「ちくわぶ」を、人気食物にしてやりたい。
この冬、「ちくわぶ」は逆襲したい。あのアホっぽい若者や、ブスやブタが、食べたい欲しいと思っても畏れ多くてオーダーできぬくらいの地位に、「ちくわぶ」を置いてやりたいのである。
そういう目的で、キャッチフレーズを書いてもらったのです。
ところが「広告学校」の生徒たちは、最初から逃げの姿勢でコピーを書いておる。
・大橋聖子『せめて、ボールペンのホルダーにいかがでしょうか』(梅)
・紺野光春『ちくわと間違えてお求めください』(梅) ……ええい情けない。こんなヒヨワな文句で「ちくわぶ」が救えるか。大橋、せめて、「せめて」を取ってくれ。紺野、ちくわと間違えても、おでん屋のオッサンが「それ、ちくわじゃないよ」とさしでがましく言ったらアウトじゃないか(泣)。
・樺島由美子『アレレ、チクワって言ったのに、チクワブが出てきちゃった』 だと?! おまえは、そんなに「ちくわぶ」が嫌いなのか(涙)。
これだけ冷たいコピーが続くと、こんな、なんでもないやつが暖く思えてくる。
・須藤直子『私のちくわぶ、どこいった? キミのちくわぶは、がんもの下だ!』(梅) やっと食べてもらえた気がする。
・谷山雅訂『はんぺんじゃないぜ!』(梅) これ、声に出してみないとわからない。つまり、「ハンパじゃないぜ!」の、ダジャレなのである。ま、勢いがあるから許す。
あ、犯罪的とさえ言えるコピーを発見したぞ。
・鈴木雅喜『おじさん、ちくわぶちょうだい。アー、無理に食わねえでもいいんだよ』(毒)
スケベなのもあるぞ。
・阿部敏信『おじさん、あたし食べてみない?』(梅)
・小野和恵『糸コンニャクとしたいな〜〜』(梅) というのもある。これを男が書くと「コンニャクとしたい」とやってしまうだろうが、切れ目を入れたりすることは手間がかかるので、手軽そうな糸コンニャクをねらったのであろう。女性ならではの発想といえる。
・板橋義也『ラストオーダーは、私を』(竹) は、寿司屋における梅しそ巻きの地位をねらったコピーである。現実的すぎるところが良し悪しではあるナ。
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