あいむふぁいんさんきゅ、私が家元の糸井重里である。
米国の|紐育《ニユーヨーク》という都市に、第三の波の視察に行き、帰国してみればハガキの山。摩天楼も高いが、ハガキの山も高い。アー、なんちゅうかその、でぃすいずあ、エー、
「家元、すっかりおやつれになられて」
いぇい、あいむそぉたいあど、れっつごぉ、バントー!
「おいたわしゅうございます。何をお話になっているのか、私めにはさっぱりわけがわかりません」
どうやら番頭には第三の波が理解できぬようなので、いつものやり方で行くことにする。
「家元、その、財産の並というものは、例えば、郵便貯金とか、簡易保険とかでございますか」
どうやら番頭には、米国の青年達に大流行している「さぁふいん」のことが理解できぬようなのである。いぇい。
「家元は、きっと凡人にはわからない何かをつかんで帰国したのでございましょう。では、とにかく、お稽古を」
あっ、いま、ハッと我に還ってしまったぞ。ここはどこだ? 臭いぞ。
「便所に関するハガキがございますので、多少……」
そうだそうだ。宿題を出してあったのだった。いやいや、失礼した。すっかり頭がボケてしまいました。
米国の|紐育《ニユーヨーク》という都市に、第三の波の視察に行き、帰国してみればハガキの山。摩天楼も高いが、ハガキの山も高い。アー、なんちゅうかその、でぃすいずあ、エー、
「家元、すっかりおやつれになられて」
いぇい、あいむそぉたいあど、れっつごぉ、バントー!
「おいたわしゅうございます。何をお話になっているのか、私めにはさっぱりわけがわかりません」
どうやら番頭には第三の波が理解できぬようなので、いつものやり方で行くことにする。
「家元、その、財産の並というものは、例えば、郵便貯金とか、簡易保険とかでございますか」
どうやら番頭には、米国の青年達に大流行している「さぁふいん」のことが理解できぬようなのである。いぇい。
「家元は、きっと凡人にはわからない何かをつかんで帰国したのでございましょう。では、とにかく、お稽古を」
あっ、いま、ハッと我に還ってしまったぞ。ここはどこだ? 臭いぞ。
「便所に関するハガキがございますので、多少……」
そうだそうだ。宿題を出してあったのだった。いやいや、失礼した。すっかり頭がボケてしまいました。