□校舎前
……中庭に寄っていこう。
もしかしたら、いつものようにあの子に出会えるかもしれない。
もしかしたら、いつものようにあの子に出会えるかもしれない。
□中庭
予想通り中庭の空気は素晴らしかった。
清涼な朝の匂い、とでも言うのだろうか。
登校してくる生徒の大部分は正門から校舎に直通なので、校舎を挟んで正反対にある中庭には人気というものがない。
静かな空間。
いつも通りの静かな中庭。
「————————」
なのに、あの子の姿だけが欠落している。
予想通り中庭の空気は素晴らしかった。
清涼な朝の匂い、とでも言うのだろうか。
登校してくる生徒の大部分は正門から校舎に直通なので、校舎を挟んで正反対にある中庭には人気というものがない。
静かな空間。
いつも通りの静かな中庭。
「————————」
なのに、あの子の姿だけが欠落している。
「———なにをやってるんだ、俺は」
自分の不甲斐なさに歯軋りがこぼれる。
こんな所に来たところであの子を助けられる筈がない。
あの場所だ。
あの暗い森で、今度こそアイツと決着をつけなくてはならない筈だ————