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歌月十夜65

时间: 2019-11-28    进入日语论坛
核心提示:*s76□志貴の部屋 街で起きているという通り魔殺人。蘇った殺人鬼は、今夜も犠牲者を求めて夜の街を彷徨しているのだろう。【殺
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*s76

□志貴の部屋
 街で起きているという通り魔殺人。
蘇った殺人鬼は、今夜も犠牲者を求めて夜の街を彷徨しているのだろう。
 
【殺人鬼】
□志貴の部屋
「—————あいつ」
アレが何者で何のかは知らない。
ただ確実なのはヤツが殺人鬼だという事だけだ。
ヤツは遠野志貴を誘っている。
これみよがしに俺の前に現れた以上、ヤツは自分から俺との殺し合いを望んでいる。
「———いいぜ。決着をつけたいっていうんならつけてやるさ」
ベッドから出て私服に着替える。
冷たいナイフの感触を確かめて、自らの眼を御するメガネをかけなおした。
 
「——————」
だが、どこか居心地の悪い部分がある。
俺はたしかに自分と似たヤツと出会った。
だがそれは何処の、はたして何時だったのかが、どうしても思い出せない————

□屋敷の前の道
□公園前の街路
□街路
街はいつもと変わらない。
ここ何回もの夜、外に出るたびに世界は無音だった。
人の気配もなければ風の感触もない。
影絵の街並みのなか、ギニョール風の影法師を引きずって道の真ん中を歩いていく。
 
——————————そして。
 
    墓標のような高い建物に囲まれた道。
乾いた、人工的な谷のただ中にヤツはいた。
 
     頭上には罅割れたガラスの月。
凍えた月光は、長々と死者の魂を照らし上げる。

「————来たか」
その、自分と酷似した影は冷徹にそう言った。
「時間がない。夜が終わる前に、今度こそ命を絶つ」
影の左手が煌く。
パチン、という音とともにナイフの刃が現れ、月光を反射する。
「今度こそ、だって————?」
その言葉は矛盾だ。俺はこいつと殺り合うのは初めての筈で、以前戦った記憶なんて——�

—————記憶なんて、ない。
 出会った記憶も、出会わなかった記憶も、覚えている事なんて何も無い。
ならば、そんな記憶は、一体なんの道標になるというのか。
「おまえ、何者だ」
「そのような事など知らん。いらぬ煩悶を抱いては黄泉路に迷う。ならばこそ死に際は無知であるべきだろう。
おまえも————無論、この俺もな」
影が沈む。
重心を低く構えたのだ、と理解する前に体はナイフを構えていた。
こちらがナイフを構えたその瞬間。
影は、一足で俺の目の前へ文字通り“跳んで”きた。
 
 それは、水面を弾けていく飛礫のような、低く速い獣じみた跳躍だった。

「———————っ!」
確実に首元に迫るナイフ。
避けるのは間に合うまい、と跳ね上がってくるナイフを自分のナイフで打ち落とす。
避けるのではなく迎え撃ったのは、少なからず命のやりとりを経験してきた修羅ゆえか。
 ざしゅ、という浅く肉を裂く感触。
 ヤツのナイフがこちらの首元を掠っていくように、俺のナイフもヤツの首元を掠っていった。

「————————」
跳びこんできた分、ヤツの立て直しはこちらより圧倒的に不利だ。
伸びきった自分の腕、突き出したナイフをくるん、と逆手に構えなおし、一息で引き戻す。
狙いはヤツの無防備なその背中。
肋骨と肋骨の隙間を通して心の臓を刺し貫く——!
 
「—————!」
が、その標的は瞬時にして消失した。
引き戻す腕を止める。
ヤツは———奇怪なまでの素早さで俺の真横へと跳んでいた。
地面に両手がつくほどの低い重心。
人間の運動能力を無視した真横への瞬間移動はまるで蜘蛛。いや、その素早さは獣のそれか。
「————チ」
咄嗟に体を反転させ、横一線にナイフを薙ぐ。

だがそれも無駄。
俺の腰ほどまでかがんだヤツの首へと振るったナイフは、さらに低く構えたヤツの頭上を通り過ぎていった。
「————————」

ぎらり、と。
今では俺の膝より重心を低くしたヤツの眼光がこちらの首を捉えた。
「————————!」
背筋が凍りつく。一秒先の未来、首を断たれた自分の姿を想像して思考が停止した。
下から矢のように突き出されるナイフの先端。
—————それは、かわせない。
 この体勢では首を反らす事もできない。
「こ———————の………!」
だから、伸びきった腕を首にあてて盾にした。
 
 チ、という舌打ち。
利き腕の上腕部分を貫いたナイフが引き抜かれる。力が入らなくなった利き腕から、ナイフを左手へと持ちかえた。
「—————」
走る月光。
瞬きの間に繰り出されたナイフは三撃。
 その悉くを、俺はナイフで弾き返した。
 
 至近距離での切り合いを続けては巧くないと判断したのか、ヤツは奇怪な足捌きで距離をとった。
ザザザ、と足を動かしてなどいないのに瞬時に後退していく様は本当に蜘蛛めいている。
 ……まるでこっちのほうが地面ごと後ろに下がってしまったと思えるほど、ヤツの移動は特殊だった。
 ……あの動き。
体が覚えているから良かったものの、知らない相手ならばまず確実に首を取られていただろう。
「———酷いものだ」
ゆらり、と体の重心をあげてヤツは言った。
「鍛錬で得た技術など瓦礫の塔にすぎぬ、か。たえず塗り固めていなければ呆気なく瓦解するとは教えられたが———まさか、ここまで無残とはな」
くるん、と影の持つナイフが回転する。
ヤツはナイフの柄を上にすると、指の間にナイフの刃を挟んだ。
「やはり消えるべきはおまえのほうだ。自分の他に自分がいるのでは存在できぬ」
ヤツは言う。
その意見にはまったく同意だ。いや、ヤツは俺の影なんだから、自分と同じ考えなのは当然といえば当然なのか。
「……そうかよ。つまり、俺たちはお互いがこの上なく邪魔ってわけか」
「ああ。俺以外に俺が居ては矛盾が生じる」
それも当然。
 
        故に———
 
   「故に———おまえは、ここで死ね」

—————そうお互いが思考した瞬間。
 
—————事は、すべて終わっていた。

ヤツが腕を振り上げる。
やはり投擲、と先読みしていた体が投げられるであろうナイフに備える。
お互いの武器は一つだけ。
ヤツが投げつけてくるナイフを弾けば、こちらの勝利は決まったも同然だった。
 
——————————極死
影が告げる。
振りかぶった腕が真横に動く。
必殺の威力を込めたのか、ヤツは振るった腕の勢いを殺しきれず、無様にもそのまま背中を向けていた。
くるり、と独楽のように反転する影。
シュン、と風を切って飛んでくるナイフの光。
「————————」
その軌跡を視認し、飛翔してくる凶器は十二分に弾けると判断した時。
ナイフを投擲すると同時に、大きく跳躍したヤツの姿を視認した。
「———————な」
それはいかなる曲芸か。
ヤツは月夜に舞うように、背中を見せたまま宙に跳んだ。
頭を下に。文字通り、天地を逆さにして宙に返り。
悪夢めいたスピードで、投げられたナイフと同時にこの俺へと肉薄する。
「——————」
気が付いた時には、手詰まりだった。
当たれば心臓どころか内臓をまるごと持っていきそうなほど高速のナイフ。
弾かない、という事は死ぬ、という事だ。
「——————」
だから、この行為は仕方のないこと。
無意識にナイフを弾く。弾いた衝撃で体が揺れる。
その、衝撃に体が揺れる瞬間、宙返りしたヤツの腕が俺の頭を鷲掴みにしていた。

「—————————あ」
ぐぎり、と。首の骨が、捻じ曲がる、おと。
 
———————————七夜
影が唄う。
……もともと化け物じみていたヤツの動きは、ここにきて奇跡のように美しかった。
片手で鷲掴みにした俺の頭を捻り、そのまま胴体からずるりと引き抜く。
俺は、脊髄を尾のようにだらしなく伸ばしたまま、ヤツの手の中から自らの体を見た。
 
 影は音もなく着地する。
路上には首を無くした人間の体が、未だ自らの死に気が付かぬまま立ち尽くして。
首だけになった俺は、胴体より先に自らの死に気が付いた。
 
———————ここに、殺人鬼は蘇った。
 
 意識が薄れゆく少し前。
月下に舞うような今の奇跡は、昔、父親と呼んでいた人のモノだったと思い出した。
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