□志貴の部屋
————殺人鬼を捜す?
そんな必要はもう何処にもない。
ヤツは死んだ。
遠野志貴の悪夢の具現、俺が怖れていた夢のカタチは消滅した。
ここが夢のような世界だというのならば、夢でさえ死に絶えるコトもあるのだろう。
ヤツは死んだ。
遠野志貴の悪夢の具現、俺が怖れていた夢のカタチは消滅した。
ここが夢のような世界だというのならば、夢でさえ死に絶えるコトもあるのだろう。
□志貴の部屋
惜しむらくは、遠野志貴自身の手でヤツに引導を渡せなかった事だ。
自身の悪夢には勝てないという事なのか、それともアイツはヤツ以上の悪夢の具現なのか。
惜しむらくは、遠野志貴自身の手でヤツに引導を渡せなかった事だ。
自身の悪夢には勝てないという事なのか、それともアイツはヤツ以上の悪夢の具現なのか。
そう。
七夜志貴という、自身が殺人鬼に成り果てるのではないかという悪夢は、
俺自身が覚えてさえいない、明確な死の具現によって圧壊された。
殺人鬼という悪夢は消え、次に現れたのは逃れがたい死の連想させるあの男。
……次から次へと現れる不吉な影。
「——————は」
これこそ悪夢だ、と呟きかけて、ある疑問に思い至った。
殺人鬼は遠野志貴が見ていた悪夢だ。
ならばあの男は、本当に遠野志貴が怖れていた悪い夢のカタチだろうか、と———
……次から次へと現れる不吉な影。
「——————は」
これこそ悪夢だ、と呟きかけて、ある疑問に思い至った。
殺人鬼は遠野志貴が見ていた悪夢だ。
ならばあの男は、本当に遠野志貴が怖れていた悪い夢のカタチだろうか、と———